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雑誌目次

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生体の科学75巻3号

2024年06月発行

雑誌目次

特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ

特集「高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ」によせて

著者: 岩田想

ページ範囲:P.196 - P.196

 「特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ」は,われわれの新学術領域「高速分子動画法によるタンパク質非平衡状態構造解析と分子制御への応用」の5年間の成果をまとめたものです。“高速分子動画”の構想は単純明快で,“百聞は一見にしかず”という事実を更に時間軸方向に展開したものです。筆者が構造生物学者になった理由は,どんなに間接的な証拠を積み上げても直接分子をみるのにはかなわないと思ったからです。そして,それは分子の動きに関しても全く同じであり,それが“高速分子動画”の基本的なコンセプトです。「分子の動きを原子分解能で実際のタイムスケールでみる」ということができればよいと誰もが思うことですが,X線自由電子レーザーの10fs程度の非常に強力なパルス光源を用いて分子を直接ストロボ撮影できる技術により,初めて可能となりました。しかし,現時点ではこの方法を用いて分子の動きを追跡するためには,結晶にしなければならない,光によって反応を開始させなければならない,など数々の制限があります。

 本研究領域の第一の目標は,“高速分子動画”法からこれらの制限をできるだけ取り除き,より多くの生体高分子観察に適用できる普遍的な方法として確立することです。そのために,ビームラインのエンジニアリング,タンパク質工学,ケミカルバイオロジーなどの技術を最大限に活用していきます。そして第二の目標は,その結果を新しい生体高分子の制御法の開発に活かしていくことです。実際に観察された“高速分子動画”を計算科学や分光学の手法を用いて定量的,理論的に理解します。これを基に新しい機能性タンパク質や生体高分子を制御できる新規化合物などを創生することにより,イメージング,光遺伝学,光薬理学といった幅広い分野に貢献したいと考えました

Ⅰ.高速分子動画装置の開発

時分割実験のための多様な反応誘起システムの開発

著者: 南後恵理子

ページ範囲:P.197 - P.201

 高速分子動画法とは,X線自由電子レーザーを用いたタンパク質結晶構造解析であり,素早く変化するタンパク質の構造変化や内部で起こる化学反応について,高い空間・時間分解能で捉えることが可能である。本稿では,本法によりどのようにしてタンパク質動的構造を得ているのかについて解説し,様々なタンパク質ダイナミクスを可視化するために行ってきた技術・装置開発についても紹介する。

固定ターゲットを軸とした生体高分子動的構造解析の新技術開拓

著者: 山本雅貴 ,   松浦滉明 ,   吾郷日出夫 ,   熊坂崇 ,   馬場清喜 ,   長谷川和也 ,   鈴木明大

ページ範囲:P.202 - P.206

 生体高分子の構造変化を原子分解能で観察できるX線結晶構造解析の核心は,結晶化し秩序立って並んだ生体高分子の並進対称性を使い,生体高分子の微弱なX線散乱強度を増幅しているところにあり,増幅量の観点では結晶が大きいほうが好ましい。その一方で,動的構造解析ではX線散乱強度の増幅効果を維持するため結晶全体で生体高分子の構造変化を同期させる必要があり,生体高分子の数が少ない微小結晶が好ましい。この相反する要請に折り合いをつけ,動的X線結晶構造解析を大きく前進させたのはX線自由電子レーザー(X-ray free-electron laser;XFEL)の超高輝度極短X線パルスを用いたシリアル測定法であり,近年は放射光でも測定技術の向上により利用可能になっている1)

 新しい研究分野の開拓を目指す新学術研究への参画にあたって,筆者らは,前述のシリアル測定法ではなく,放射光を使った新しい切り口の動的構造解析法の開発に挑戦することとし,サブミクロンサイズの極微小結晶からの回折強度測定を目指す真空回折計の開発,生体高分子の構造変化の誘起や,生体内に近い環境下での測定を可能にする結晶調温調湿装置の開発などを進めた。本稿ではこれらの開発に加え,生体高分子の動的構造解析の究極的な研究手法となる可能性を秘めたコヒーレント回折イメージング(coherent diffractive imaging;CDI)による単粒子構造解析の現状について述べる。

Ⅱ.計算によるアプローチ

データ融合シミュレーションとXFELによるタンパク質の動的構造解析

著者: 宮下治

ページ範囲:P.207 - P.212

 生体分子のタンパク質などの生体高分子の機能発現のメカニズムを理解し,創薬などにつなげるためには,これらの分子の詳細な構造情報と共に運動の様子を知ることが重要である。そのような情報を得るために,これまで様々な実験手法が開発され活用されてきた。

 X線結晶構造解析はこれまで幅広く使われ,数多くの重要なタンパク質について原子レベルでの詳細な構造の決定に力を発揮してきた。そして更に革新的な技術が,X線自由電子レーザー(X-ray free-electron laser;XFEL)である。一瞬で観測を終える特性を活かした時分割シリアルフェムト秒X線結晶構造解析(time-resolved serial femtosecond X-ray crystallography;TR-SFX)のほか,高強度X線により分子複合体を結晶なしに観測する単粒子解析実験の開発が行われている。

銅含有アミン酸化酵素における動的酵素反応機構

著者: 庄司光男

ページ範囲:P.213 - P.218

 酵素は生体内で特定の反応を促進させるため,反応に最も適した活性中心構造をとっている。そのため,基本的に機能と構造は1対1に対応しており,酵素構造は一意に定まっているとされている。実際,1890年にFischerによって提唱された“鍵と鍵穴モデル”は多くの酵素系で成り立っていることが示されてきており,酵素の構造解析が極めて重要である理由になっている。“鍵と鍵穴モデル”は1958年にKoshlandにより“誘導適合モデル”として微修正されるが,そのモデルでも基質結合に関わるタンパク質の構造変化が許容されただけであり,依然として活性中心の構造変化は極めてわずかであることが示されてきている。しかしながら,本稿で取り扱う銅含有アミン酸化酵素は,酵素触媒サイクル中に,活性中心の主要反応部位であるトパキノン補酵素(topaquinone;TPQ)が大きくコンホメーションを変化させる。この摩訶不思議な現象は,不活性種として解釈されたり,構造変化の意味が不明であったりと,これまでに多くの議論がなされてきたが,未解決問題となっていた。

 量子化学計算は酵素の複雑な化学反応過程を,分子・電子状態レベルで精密に検証し,酵素反応に対し極めて有益な示唆を与えてくれる。特に反応を特徴づける遷移状態や反応経路の検証には量子化学計算手法での解明が不可欠となっている。

ハイブリッド分子シミュレーションによるタンパク質分子機能ダイナミクスの研究

著者: 林重彦

ページ範囲:P.219 - P.224

 タンパク質は20種類のアミノ酸から成る高分子であり,その配列に依存して形成する複雑な構造体が分子機能を発揮する。例えば,化学的反応を触媒する酵素機能の場合には,その構造体の中に触媒活性を有する化学反応場が形成される。更に,タンパク質の構造体は,そのような静的な反応場形成のみならず,ダイナミックに構造を変化することにより分子機能を活性化させ,複数の機能の相関や制御を達成する。生命活動は,そのようなタンパク質の動的構造変化を介した高度な分子機能により可能となっている。本稿では,レチナール光受容体膜タンパク質を例に,ダイナミックな分子機能の活性化機構の解明を目指す計算科学的研究を解説する。

Ⅲ.分光によるモニタリング

タンパク質微結晶を測定する時間分解顕微分光技術

著者: 片山哲郎 ,   木村哲就 ,   久保稔

ページ範囲:P.225 - P.230

 タンパク質は常に揺らぎ,構造を変化させながら機能している。分子動画法(時間分解結晶構造解析)は,その動的な姿を可視化するために開発された新しい構造生物学的手法である。この手法はタンパク質の構造変化を原子分解能で観測できる優れた手法であるが,微結晶化したタンパク質を扱う制約上,測定技術の面から分子動画の解釈に至るまで,多くの解決すべき問題を抱えてきた。しかし近年,構造生物学,放射光科学,物理化学,計算科学など多方面の研究者が分子動画法の課題に立ち向かい,いまやこの手法は多くのタンパク質に利用されつつある。筆者らは分子分光学の立場から,分子動画法の持つ問題に取り組んできた。分子動画法を使用する際に研究者が抱く率直な疑問の一つは,「微結晶中のタンパク質のダイナミクスは,水溶液中のそれをどこまで反映しているのか?」である。これは決して自明ではないであろう。そこで筆者らは,タンパク質微結晶を取り扱える様々な顕微分光技術を開発し,実際に結晶相で起こるダイナミクスを時間分解測定によりモニターした。本稿では,筆者らが開発した4つの顕微分光技術とそれらを用いたタンパク質微結晶の測定例を紹介する。

時間分解赤外分光によるレチナールタンパク質の反応計測

著者: 古谷祐詞

ページ範囲:P.231 - P.235

 X線を用いたタンパク質構造解析は,“分子の形を見る”ことを可能とし,レチナールタンパク質といった光受容タンパク質だけでなく,様々な酵素などの反応機構を解明するのに重要な役割を果たしてきた。一方,紫外・可視光や赤外線を用いた分光解析は,“分子の音を聴く”ことを可能とする。ぱっと見てタンパク質の形がわかる構造解析とは異なり,電磁波の周波数をチューニングすることで,タンパク質からどのような音が返ってくるのか,耳を澄まさなくてはならない。タンパク質が反応する過程で,どのような音楽を奏でているのか,分子動画に,分子音楽を重ねることで,タンパク質の反応機構についてのより豊かな理解を得ることを可能とする。本稿では,生体を構成するタンパク質の赤外分光解析について,特にレチナールタンパク質への適用について概説する。

Ⅳ.高速分子動画の実例:レチナールタンパク質

光駆動型クロライドイオンポンプロドプシンの構造変化

著者: 保坂俊彰

ページ範囲:P.236 - P.240

 海洋細菌Nonlabens marinusが持つ光駆動型クロライドイオンポンプロドプシンNM-R3は,細胞内に塩化物イオン(Cl-)を輸送する。今回,SACLAを用いた時分割結晶構造解析により,光照射に伴うNM-R3の構造変化を詳細に捉えることに成功した。この結果からNM-R3がCl-を輸送する機構と輸送経路を明らかにすると共に,イオンの逆流を防ぐ巧妙な仕掛けがあることを見いだした1)

水圏生態系におけるロドプシン集光アンテナの構造と機能

著者: 志甫谷渉

ページ範囲:P.241 - P.246

 ロドプシンとは,レチナールを発色団として持つ光受容膜タンパク質である。微生物型ロドプシンはバクテリオロドプシン(BR)やチャネルロドプシン(ChR)を筆頭に大多数がイオンを輸送しており,光遺伝学に応用されている。しかし近年,例えばヘリオロドプシン1)や酵素型ロドプシン2)のような,イオン輸送とは異なる機能を持つ微生物型ロドプシンが次々に発見されており,機能的メタゲノミクスによる新規ロドプシンの発見と機能解析が脚光を浴びている。今回,筆者らはイオン輸送ロドプシンのなかで,カロテノイドを集光アンテナとして利用するロドプシンを新規に同定し,その構造と機能に迫った。

Ⅴ.高速分子動画の実例:酵素

酵素反応過程の高速分子動画の撮影の取り組み

著者: 上垣哲心 ,   永野真吾

ページ範囲:P.247 - P.251

 放射光を利用したX線結晶構造解析によって,これまで多くの重要な酵素反応機能の解明が進められてきた。しかし,酵素反応に伴う柔軟な活性部位の構造変化,コンホメーション変化を実時間で捉える時分割構造解析反応が酵素反応の精密な理解に不可欠である。本稿では,光に依存せず酵素反応を同期的に開始するために,微結晶と基質を混合する方法の一つであるベルトコンベア法を用いて時分割構造解析を行った事例として,イソペニシリンN合成酵素(isopenicillin-N synthase;IPNS)を取り上げ概説する。また,筆者らが進めているタウリン水酸化酵素の時分割構造解析の取り組みについても紹介する。

銅含有アミン酸化酵素の反応過程の撮像

著者: 村川武志

ページ範囲:P.252 - P.256

 酵素タンパク質が化学反応を効果的かつ特異的に進めるには,触媒過程の各段階(各素反応)における活性部位環境の最適化が必須であり,これにより活性化エネルギーの低減や,反応特異性(副反応の進行を抑え特異的な反応を行う)などが可能となる。タンパク質のダイナミクスに基づくこれらの視点は,触媒機構を明らかにするうえで今後更に重要性を増すと考えられる。しかし,現時点で高速に切り替わる各触媒過程を精密に観測することは難しく,その実現には抜本的な新規測定法の確立が必須となる。本稿では,近年SACLAにて開発が進められている,シリアルフェムト秒結晶構造解析(serial femtosecond crystallography;SFX)の一種である二液混合時分割SFXを使用した,銅含有アミン酸化酵素の触媒反応過程の撮像について紹介する。

Ⅵ.高速分子動画の実例:光作動性タンパク質

光活性化アデニル酸シクラーゼ合成酵素の活性化機構の解明

著者: 石本直偉士 ,   朴三用

ページ範囲:P.257 - P.262

 Cyclic AMP(cAMP)は,軸索伸長や遺伝子発現などの細胞内応答を制御するセカンドメッセンジャーである。シアノバクテリア由来の光活性化アデニル酸シクラーゼOaPACは,光によりATPをcAMPに変換する酵素である。構造は解明されているものの,光による構造変化や触媒活性の機構は不明である。OaPACの反応機構を解明するため,X線自由電子レーザー(X-ray free-electron laser;XFEL)と放射光施設を用いて,構造生物学的観点から幅広い時間スケールでダイナミックな構造変化を分子動画としての撮影に挑戦している。

光合成の水分解反応機構の解明

著者: 菅倫寛 ,   沈建仁

ページ範囲:P.263 - P.268

 植物や藻類は太陽からさんさんと降り注ぐ光のエネルギーを利用して,水分子と大気中の二酸化炭素から炭水化物を合成し,酸素分子を放出する。この過程は光合成と呼ばれ,多くのタンパク質が協調して織りなす酵素反応によるものである。光合成の最初の反応は光化学系Ⅱ(photosystemⅡ;PSⅡ)による水分解反応である。PSⅡは光のエネルギーを吸収して利用し,水分子からプロトンと電子を取り出し,酸素分子を放出する。

Ⅶ.ケミカルバイオロジー:タンパク質の分子制御へ向けて

動的構造情報に基づく受容体タンパク質活性制御法の開発

著者: 原隆史 ,   堂浦智裕 ,   清中茂樹

ページ範囲:P.269 - P.274

 特有の生理活性物質で活性化される細胞膜受容体は,動物の様々な生理機能を担う。近年の構造生物学技術の大幅な進展により,受容体タンパク質の構造が解明され,生理活性物質や阻害剤との結合様式のみならず,受容体の活性化時に伴う動的な構造変化すら明らかになりつつある。一方,受容体の生理機能解明に関しては,細胞レベルではかなり解明されてきたが,動物個体レベルではまだ発展途上と言える。その理由として,同一の受容体もしくは類似する機能を持つ受容体サブタイプは複数の組織に存在するが,組織ごとに受容体が担う生理機能が異なることが挙げられる1)。したがって,標的とする受容体の活性を細胞種や組織選択的に制御するツールの開発が生体機能を紐解くうえで重要であり,それを実現する技術として化学遺伝学(ケモジェネティクス)と呼ばれる手法が注目されている。本稿では,ケモジェネティクスの研究進展,および受容体の分子構造情報や動的構造変化を利用した筆者らの新たなケモジェネティクス手法を紹介する。

ケージド化合物を用いる細胞機能制御

著者: 古田寿昭

ページ範囲:P.275 - P.280

 分子の機能を解析するためには,分子同士の相互作用を凍結するなどした静的な状態から,何らかのトリガーを掛けて摂動を与えて,反応を開始する手法が有効である。トリガーとしては,高速に2液を混合するストップトフロー法に加えて,光や熱などの物理的刺激を利用する方法がある。このうち,光を利用する方法は,顕微鏡やパルス光と組み合わせることで,高い時空間分解能を実現できるため,反応開始のトリガーとして魅力的である。光が透過する媒質中であればよいため,水や有機溶媒中に限らず,生細胞,組織,モデル生物個体,更に結晶中で,興味対象の現象を高い時空間分解能で制御可能になる。本稿では,分子の機能を光制御する試みの一つとして,光ケージド化合物を修飾して,多様な機能を付与することで,機能拡張を目指した筆者らの最近の研究を紹介する。

光薬理学リガンドによる細胞機能制御

著者: 松尾和哉

ページ範囲:P.281 - P.285

 光は任意の波長,強度,タイミング,規模で,生体あるいは細胞に自在に照射できるため,光学顕微鏡やそれを用いた蛍光イメージングなど“観察”するために汎用され,種々の生命現象のメカニズムが解明されてきた。これに対し,近年,非侵襲的な外部刺激として光を利用し,生命現象を高い時空間制御能で“操作”する技術が注目されている。光ケージド化学1)や光遺伝学(オプトジェネティクス)2)などの数ある光操作技術のなかでも,本稿では,光で可逆的に標的タンパク質の活性を制御できる小分子化合物を用いた“光薬理学3)”に関して取り上げる。特に,筆者が展開してきた,細胞内で動的に制御される染色体4)やアクチンファイバー5)などの細胞分裂や細胞骨格に関与する高次構造体を自在に制御し,細胞機能を光操作した研究例に関して紹介する。

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目次

ページ範囲:P.195 - P.195

書評

著者: 本郷一博

ページ範囲:P.286 - P.286

財団だより/次号予告

ページ範囲:P.287 - P.287

あとがき

著者: 松田道行

ページ範囲:P.288 - P.288

 昔々,国立予防衛生研究所で研究員をしていたころ,科学技術庁の事務次官が視察にやってきて,「今度,1,000億円で放射光施設を作ったんだよ,君も使ってよ」みたいな話をされました。「うわっ,なんちゅう巨額!」とびっくりしたのですが,SPring-8のその後の活躍をみれば安い買い物でした。同じ場所にSACLAもできて,今度も大丈夫だろうかと見守っておりましたが,本特集を読んでいただければわかります通り,費用に見合う十二分な成果が出続けています。このビッグプロジェクトを成功に導いたゲストエディターの岩田先生に敬意を表したいと思います。生物学者は,物理学者と比して,国家予算でないと賄えないような大型機器を動かすプロジェクトに慣れておらず,幅広いコミュニティからの理解を得るのが難しいように感じます。本特集では構造生物学に資する光操作・化学遺伝学技術も幅広く取り上げられており,ビッグプロジェクトがもたらす裾野効果についてもよく理解できました。乏しい科学技術予算をどう割り振るのかというのは常に頭の痛い話ですので,他の研究領域の研究者を巻き込んでいく努力も必要であると感じました。最後になりましたが,ご多忙のところをご寄稿いただいた諸先生方に御礼申し上げます。

基本情報

生体の科学

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1883-5503

印刷版ISSN 0370-9531

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