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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻3号

2024年06月発行

文献概要

特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ Ⅲ.分光によるモニタリング

タンパク質微結晶を測定する時間分解顕微分光技術

著者: 片山哲郎1 木村哲就23 久保稔4

所属機関: 1徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 2神戸大学大学院理学研究科 3神戸大学分子フォトサイエンス研究センター 4兵庫県立大学大学院理学研究科

ページ範囲:P.225 - P.230

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 タンパク質は常に揺らぎ,構造を変化させながら機能している。分子動画法(時間分解結晶構造解析)は,その動的な姿を可視化するために開発された新しい構造生物学的手法である。この手法はタンパク質の構造変化を原子分解能で観測できる優れた手法であるが,微結晶化したタンパク質を扱う制約上,測定技術の面から分子動画の解釈に至るまで,多くの解決すべき問題を抱えてきた。しかし近年,構造生物学,放射光科学,物理化学,計算科学など多方面の研究者が分子動画法の課題に立ち向かい,いまやこの手法は多くのタンパク質に利用されつつある。筆者らは分子分光学の立場から,分子動画法の持つ問題に取り組んできた。分子動画法を使用する際に研究者が抱く率直な疑問の一つは,「微結晶中のタンパク質のダイナミクスは,水溶液中のそれをどこまで反映しているのか?」である。これは決して自明ではないであろう。そこで筆者らは,タンパク質微結晶を取り扱える様々な顕微分光技術を開発し,実際に結晶相で起こるダイナミクスを時間分解測定によりモニターした。本稿では,筆者らが開発した4つの顕微分光技術とそれらを用いたタンパク質微結晶の測定例を紹介する。

参考文献

. 354:1552-1557, 2016
. 10:e62389, 2021
. 119:e2117433119, 2022
. 62:SG1045, 2023
. 118:e2101481118, 2021

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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