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文献概要
特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ Ⅲ.分光によるモニタリング
時間分解赤外分光によるレチナールタンパク質の反応計測
著者: 古谷祐詞1
所属機関: 1名古屋工業大学大学院工学研究科
ページ範囲:P.231 - P.235
文献購入ページに移動 X線を用いたタンパク質構造解析は,“分子の形を見る”ことを可能とし,レチナールタンパク質といった光受容タンパク質だけでなく,様々な酵素などの反応機構を解明するのに重要な役割を果たしてきた。一方,紫外・可視光や赤外線を用いた分光解析は,“分子の音を聴く”ことを可能とする。ぱっと見てタンパク質の形がわかる構造解析とは異なり,電磁波の周波数をチューニングすることで,タンパク質からどのような音が返ってくるのか,耳を澄まさなくてはならない。タンパク質が反応する過程で,どのような音楽を奏でているのか,分子動画に,分子音楽を重ねることで,タンパク質の反応機構についてのより豊かな理解を得ることを可能とする。本稿では,生体を構成するタンパク質の赤外分光解析について,特にレチナールタンパク質への適用について概説する。
参考文献
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