文献詳細
特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ
Ⅴ.高速分子動画の実例:酵素
文献概要
放射光を利用したX線結晶構造解析によって,これまで多くの重要な酵素反応機能の解明が進められてきた。しかし,酵素反応に伴う柔軟な活性部位の構造変化,コンホメーション変化を実時間で捉える時分割構造解析反応が酵素反応の精密な理解に不可欠である。本稿では,光に依存せず酵素反応を同期的に開始するために,微結晶と基質を混合する方法の一つであるベルトコンベア法を用いて時分割構造解析を行った事例として,イソペニシリンN合成酵素(isopenicillin-N synthase;IPNS)を取り上げ概説する。また,筆者らが進めているタウリン水酸化酵素の時分割構造解析の取り組みについても紹介する。
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