文献詳細
文献概要
特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ Ⅶ.ケミカルバイオロジー:タンパク質の分子制御へ向けて
ケージド化合物を用いる細胞機能制御
著者: 古田寿昭1
所属機関: 1東邦大学理学部生物分子科学科
ページ範囲:P.275 - P.280
文献購入ページに移動 分子の機能を解析するためには,分子同士の相互作用を凍結するなどした静的な状態から,何らかのトリガーを掛けて摂動を与えて,反応を開始する手法が有効である。トリガーとしては,高速に2液を混合するストップトフロー法に加えて,光や熱などの物理的刺激を利用する方法がある。このうち,光を利用する方法は,顕微鏡やパルス光と組み合わせることで,高い時空間分解能を実現できるため,反応開始のトリガーとして魅力的である。光が透過する媒質中であればよいため,水や有機溶媒中に限らず,生細胞,組織,モデル生物個体,更に結晶中で,興味対象の現象を高い時空間分解能で制御可能になる。本稿では,分子の機能を光制御する試みの一つとして,光ケージド化合物を修飾して,多様な機能を付与することで,機能拡張を目指した筆者らの最近の研究を紹介する。
参考文献
. 113:119-191, 2013
. 20:907-911, 1977
. 17:1929-1935, 1978
. 120:13135-13272, 2020
. 14:6182-6185, 2012
. 50:664-666, 2014
. 55:451-454, 2019
. doi:10.3791/60021, 2019
.66:126-131, 2015
.68:502-503, 2017
. 52:9434-9437, 2016
. 6:2547-2556, 2018
. 96:1193-1200, 1999
. 70:1164-1169, 2012
. 57:5630-5633, 2021
. 113:3613-3622, 2000
. 8:1866, 2018
. 142:495-502, 2022
. 109:4756-4761, 2012
. 58:10484-10487, 2022
. 28:436-453, 2018
掲載誌情報