文献詳細
特集 高速分子動画:動的構造からタンパク質分子制御へ
Ⅶ.ケミカルバイオロジー:タンパク質の分子制御へ向けて
文献概要
光は任意の波長,強度,タイミング,規模で,生体あるいは細胞に自在に照射できるため,光学顕微鏡やそれを用いた蛍光イメージングなど“観察”するために汎用され,種々の生命現象のメカニズムが解明されてきた。これに対し,近年,非侵襲的な外部刺激として光を利用し,生命現象を高い時空間制御能で“操作”する技術が注目されている。光ケージド化学1)や光遺伝学(オプトジェネティクス)2)などの数ある光操作技術のなかでも,本稿では,光で可逆的に標的タンパク質の活性を制御できる小分子化合物を用いた“光薬理学3)”に関して取り上げる。特に,筆者が展開してきた,細胞内で動的に制御される染色体4)やアクチンファイバー5)などの細胞分裂や細胞骨格に関与する高次構造体を自在に制御し,細胞機能を光操作した研究例に関して紹介する。
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