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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻4号

2024年08月発行

文献概要

特集 シングルセルオミクス Ⅰ.シングルセルオミクスの原理

イメージングを用いた組織・臓器スケールの空間シングルセル解析

著者: 来栖玲央1 洲﨑悦生12

所属機関: 1順天堂大学医学部医学科生化学第二講座 2順天堂大学大学院医学研究科生化学・生体システム医科学

ページ範囲:P.305 - P.309

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 シングルセル解析や空間オミクス技術の開発により,1細胞や組織切片でのRNAの発現量を網羅的に解析することが可能になった。1枚の組織切片を複数回免疫染色する手法(マルチプレックス免疫染色)は,腫瘍や免疫組織での多様な細胞種同定や細胞間相互作用の解析に用いられている1-5)。しかし,生体組織は複雑な三次元構築を持つため,細胞の分布や細胞間相互作用の解析は組織の空間的な三次元構築を保ったまま行うのが理想である。筆者らは,組織の三次元構築を崩さずに光学的に透明にする手法(組織透明化)6,7),三次元組織を免疫染色する手法8),透明化組織を観察するためのライトシート顕微鏡9)を開発し,個体・臓器に含まれるすべての細胞(cellome)の三次元的な配置を対象とした解析“セルオミクス(cellomics)”を提唱している(図1)。

 一方で,組織透明化で一度に観察できるタンパク質・RNAは数種類程度に限定されており,セルオミクスで得られる発現分子の情報量を向上させるために,この種類を増やすことが重要である。本稿では,組織透明化を用いた三次元個体・臓器シングルセル解析,マルチプレックス免疫染色による二次元組織シングルセル解析を概説し,組織透明化とマルチプレックス免疫染色の統合に向けた展望を紹介する。

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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