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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻4号

2024年08月発行

文献概要

特集 シングルセルオミクス Ⅲ.シングルセルオミクスを応用した最近の実例

多能性幹細胞由来ヒト胚モデルを用いたヒト初期胚発生研究

著者: 大久保巧1 髙島康弘1

所属機関: 1京都大学iPS細胞研究所未来生命科学部門

ページ範囲:P.356 - P.361

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 近年のシングルセル解析技術の発展に伴い,初期ヒト胚の解析が進み,胚発生機構の解明が急速に進んでいる。解析が進むにつれ,ヒトとマウスでは想像以上に遺伝子の発現パターンが異なっており,発生機構が異なる可能性が示されつつある。これまで,ヒトの胚発生機構はマウスを用いた研究で得られた知見を基に考えられてきたため,近年ヒト胚を用いた研究の必要性が増している。しかし,ヒト胚を用いた研究には倫理的な制約があり,また使用できる胚の数が限られている。更にヒト胚の場合,マウスのような実験動物とは異なり遺伝子編集を用いた機能的な解析が困難である。近年,多能性幹細胞を用いたヒト胚モデルが報告され,ヒト胚を用いずに胚発生機構を研究することができるツールとして期待されている。

 本稿では,ヒト初期胚発生に関連した最新の知見を概説すると共に,筆者らの研究内容について紹介する。

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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