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特集 シングルセルオミクス Ⅲ.シングルセルオミクスを応用した最近の実例
神経科学における分子バーコード技術を用いた神経回路研究
著者: 郷康広1
所属機関: 1兵庫県立大学大学院情報科学研究科
ページ範囲:P.362 - P.368
文献購入ページに移動 神経科学や脳科学研究では,脳の複雑な形態的・解剖学的な構造と生理学的・行動学的な機能連関,あるいは恒常性の破綻として顕れる疾患の理解と因果性の解明を目的とし,それを達成するための様々な技術開発が行われてきた。脳の構造や活動を非侵襲的に可視化するMRI(磁気共鳴画像法),fMRI(機能的磁気共鳴画像法),PET(ポジトロン断層法)などのイメージング手法,細胞内電位・電流を測定し,細胞の電気的性質を解析することによって脳の活動を明らかにする電気生理学的手法,遺伝子発現が脳神経系を構成する細胞にどのように機能するかを調べるための遺伝子ノックアウト・ノックインなどの遺伝学的手法,脳のネットワークの動作原理を理解するための数理モデリング・シミュレーションなどの計算神経科学的手法など,その手法は多岐にわたる。なかでも近年の技術革新により,脳を構成する細胞の機能を1細胞レベルで解析する“シングルセルオミクス解析”が飛躍的に発展し,神経科学研究にもパラダイムシフトが起こっている。
本稿では,それらの近年飛躍的な技術開発の進展が著しいシングルセルオミクス解析技術が神経科学・脳科学の諸問題にどのように適用されているのか,特に脳神経系に特異的なモダリティである神経回路の構造と機能にどのように貢献しているかを概観する。
本稿では,それらの近年飛躍的な技術開発の進展が著しいシングルセルオミクス解析技術が神経科学・脳科学の諸問題にどのように適用されているのか,特に脳神経系に特異的なモダリティである神経回路の構造と機能にどのように貢献しているかを概観する。
参考文献
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