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文献詳細

雑誌文献

生体の科学75巻6号

2024年12月発行

特集 新組織学シリーズⅤ:脂肪

Ⅴ.肥満の病態と併発疾患

肥満のエピゲノム制御

著者: 橋本貢士1

所属機関: 1獨協医科大学埼玉医療センター糖尿病内分泌・血液内科

ページ範囲:P.598 - P.603

文献概要

 Developmental Origins of Health and Disease(DOHaD)学説とは,出生前後の様々な環境による影響が“記憶”され,成人期における肥満症,2型糖尿病などの生活習慣病の発症および進展を規定するという学説である1)。母体の低栄養が児の成長後の生活習慣病の発症リスクを高めることを明らかにしたDutch famine study(オランダ飢餓研究)をはじめとする疫学研究2,3)や様々な動物実験を用いた基礎研究4-6)がDOHaD学説の正当性を裏づけている。DOHaD学説の分子機構としてエピジェネティクス,特にDNAメチル化による長期の遺伝子発現制御が想定されている。本稿では,胎生期から乳児期における栄養環境が,どのようにDNAメチル化を介したエピゲノム記憶となり,また個々に形成されたエピゲノム記憶がどのように成人期の肥満に影響を及ぼし得るかについて,筆者らの研究知見を紹介する。

参考文献

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. 71:907-924, 2024

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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