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文献詳細

雑誌文献

生体の科学8巻1号

1957年02月発行

綜説

高分子電解質

著者: 大沢文夫1

所属機関: 1名古屋大学理学部物理学教室

ページ範囲:P.2 - P.16

文献概要

 多数の電荷をもつた巨大分子,高分子電解質(分子)(Polyelectrolyte(Molecule))-高分子イオン(Macro Ion)-は巨大分子としての特性と電解質としての特性とを併せもつている。そして更に分子の電荷の増減がその形状の変化をおこし,形状の変化が電荷の増減をもたらし,高分子電解質特有の性質が生まれる。この特徴から,高分子電解質は筋肉伸縮現象を荷うのにふさわしいものとして,大きくいえば生体におけるMechano-Chemical Systemの実体たるにふさわしいものとして注目されてきた。実際,合成の鎖状高分子電解質で作つたゲルは,その電荷の増減とともに伸縮し,筋肉モデルの名をつけられている。
 この小論の目的は,高分子電解質溶液の性質,溶液中の高分子イオンの状態,高分子イオンと低分子イオンの相互作用,高分子イオン同志の相互作用等について,一つの立場からのべることである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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