文献詳細
論述
文献概要
まえがき
第7巻第5号の本誌に"SHの進歩"その後──と題する綜説を書いたが,内容の主立つたものは"RNAによる蛋白賦活"ならびに"放射線治療"の両データであつた。とくに前者について被追試者の立場にあるアメリカ国立ガン研究所のJesseP.Greenstein博士も我々の成果に対し大きな関心と満足をもつことが通信で判明したが,さらにSH研究の総本家というべきシカゴ大学のE.S.Guzman Barron教授も我々の研究とくに上の"リボ核蛋白の賦活構造"につよい興味を抱き,教授の研究室で最近着手したばかりの"蛋白の生合成過程における酵素SH基の役割"の研究の中に我々のデータをとり入れることが教授の手紙で判つた。なお無機のSH化合物としてのハイポを使つた研究も面白く感ぜられたように見受けられたが,以上の点をこゝに追加紹介しておきたい。
さて現在執筆しつゝある"続篇"には海外におけるCoASH の新発展に重点をおいて解説するが,同時に実験的糖尿病ならびに抗生物質作用機序の基礎的な一面に対してSHの"演じうる役割"についても想像を混ぜ込んだ討論を試みたいと思う。専門家の批判を仰ぎうれば幸いである。
第7巻第5号の本誌に"SHの進歩"その後──と題する綜説を書いたが,内容の主立つたものは"RNAによる蛋白賦活"ならびに"放射線治療"の両データであつた。とくに前者について被追試者の立場にあるアメリカ国立ガン研究所のJesseP.Greenstein博士も我々の成果に対し大きな関心と満足をもつことが通信で判明したが,さらにSH研究の総本家というべきシカゴ大学のE.S.Guzman Barron教授も我々の研究とくに上の"リボ核蛋白の賦活構造"につよい興味を抱き,教授の研究室で最近着手したばかりの"蛋白の生合成過程における酵素SH基の役割"の研究の中に我々のデータをとり入れることが教授の手紙で判つた。なお無機のSH化合物としてのハイポを使つた研究も面白く感ぜられたように見受けられたが,以上の点をこゝに追加紹介しておきたい。
さて現在執筆しつゝある"続篇"には海外におけるCoASH の新発展に重点をおいて解説するが,同時に実験的糖尿病ならびに抗生物質作用機序の基礎的な一面に対してSHの"演じうる役割"についても想像を混ぜ込んだ討論を試みたいと思う。専門家の批判を仰ぎうれば幸いである。
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