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ポメラート教授(2)
著者: 中井準之助1
所属機関: 1東大解剖学教室
ページ範囲:P.40 - P.42
文献購入ページに移動 アメリカ人の仕事振りを見た人達の多くが口にすることは,とも角彼等がよく働くことである。確かに彼等はよく働く。8時から5時までをフルに仕事をしている。Pomerat教授の研究室もその例外ではない。但し彼が常に追い廻しているので,働かされているという感じも深い。だがテクニシアン達は給料を貰つているのだからその人のために働くのは当然だと割り切つている。一方雇主の方の教授も,彼等を遊ばせておくのは wasting moneyだとハツキリ語つたことがある。朝に割当てた仕事が4時に終れば,直ちにもう1時間分の仕事を与える。ところが,こゝに3人の例外がある。私は彼等をPomerat教授の3羽烏と呼んでいた。何れも5年〜8年と教授と共に仕事をして来た人達であつて,教授が安心して仕事をまかせておける人々であり,彼等なくしては教授の研究は殆んど完全に停滞してしまうであろう。秘書のMrs.Fowlerは孫のある年輩,教授室の入口に頑張つている。教授の日常の雑事は殆んど自動的に彼女がさばく。論文原稿は教授の口述するのを速記または直接にタイプする。掲載誌による投稿規定の相違も心得ているので論文の体裁を適当に修正することも彼女にまかせきりである。会計に始まつて,教授の旅行のための飛行機,ホテルの予約一切に至るまで,全くよろず引受け役としての彼女の活躍振りは相当なものである。
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