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文献詳細

雑誌文献

生体の科学8巻2号

1957年04月発行

文献概要

報告

Monoiodo-L-tyrosine, Diiodo-L-tyrosine及びL-thyroxineの中間代謝について—第1報 Monoiodo-L-tyrosine及びDiiodo-L-tyrosineの代謝物質について

著者: 中野稔1 杉絢子1

所属機関: 1別府野口病院甲状腺研究所

ページ範囲:P.83 - P.86

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 甲状腺内の沃度化合物はthyroglolulin及びfreeiodine compoundsの二種に大別され1)2),前者は生体の甲状腺中に存在すると考えられている。蛋白分解酵素の働きで,徐々に分解されfree iodine compoundを生ずる3)。Free iodine compoundsはthyroglohlin構成沃素化アミノ酸と同様,thyroxine(Tx),triiodothyronine(Tri),diiodotyrosine(DiT),及びmonoiodotyrosine(MiT)等から構成されており1)2),これ等の物質は甲状腺より血中に放出されるものと考えられる。しかし特殊な甲状腺機能異常,放射性元素による甲状腺の破壊等の外,血中にDiT及びMiTは証明されず4)5)6)7),Roche等の試験管内で甲状腺切片にI131labeled DiT,MiT,Txを作用させ,前二者が速かに脱沃素される事を報告している3)。一方,Tong等は同様な方法でlabeled DiTを用いて,甲状腺,肝及び腎切片で研究し,肝,腎では甲状腺と異り,一般のアミノ酸と同様脱アミノにより代謝される事を明かにしている8)。しかし脱アミノ後に起る脱沃素が如何なる機序によるか,脱アミノの前に脱沃素が行われるか否か,又生ずる中間代謝物質がはたして代謝の正道にある物質か否か等の諸点について明かにしていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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