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文献詳細

雑誌文献

生体の科学8巻2号

1957年04月発行

文献概要

海外通信

放射性ジギトキシンとジヨージ・オキタ氏/The use of "self-radiation" labelled tritium digitoxin in biological experimentation

著者: 田辺恒義12

所属機関: 1札幌医科大学薬理学教室 2ミシガン大学薬理学教室にて 3Univ.of Chicago, Dept.of Pharmacology and Argonne Cancer Research Hospital

ページ範囲:P.91 - P.91

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 シカゴ大学薬理学教室ではC14ジギトキシンを作つて種々の実験を行つている事はあまりにも有名である。そこの主任はガイリング教授であるが,実際にはその分野を担当していた中心人物はジヨージ・オキタ君である。彼はシアトル生れの日本人二世で,30歳代の極めてピチピチした張切り屋である。彼は日本には興味を持つて,一度日本へ行きたがつている。併し日本語を知らないので,日本へ行つて困るだろうと頻に心配しているが,今から習おうにも時間が無いとこぼしている。
 彼は今薬理学教室とアーゴンヌ癌研究病院とを兼任し,特に後者の研究部門の最も重要な幹部の1人である。今年に入り化学部門のウイルツバツクとブラウンがジギトキシンにトリチウムで放射能を附与する事に成功した。閉鎖硝子器内でジギトキシンにトリチウムを1週間反応させると,分子内の水素が一部トリチウムと置換されるというのである。之を精製して彼は放射能の極めて大きいトリチウム・ジギトキシンを得ている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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