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報告
超微小電極内に液を直接充填する一簡便法
著者: 星猛1
所属機関: 1東北大学医学部応用生理学教室
ページ範囲:P.175 - P.176
文献購入ページに移動 超微小電極内にKCl等の電解液を充墳するのには満たすべき液の中で煮沸する方法が最も簡単であるが,この方法は電極の先端部にかなり強い機械的或は化学的な破壊侵蝕を与える欠点がある。この事は多くの研究者によつて指摘されており,又同時に種々の改良法が報告されている。例えば煮沸時間を出来る丈短くし,温度もあまり上げない様にする為に減圧を併用する方法1)2),アルコール中で減圧し,それを満たしたのち蒸溜水,KClの順で置換する方法3),蒸溜水中で煮沸したのちKCl中につけておく方法2)4),或は予めKClを満たした硝子管を引き,のちKCl中につけておく方法5)等が試みられている。然しこれらの方法でも結果は必ずしも満足でなかつたり,或は時間と資材を多く要する不便があつて何れも最良と断じ得ない。
電解液の充填には本来上記の様に煮沸や他の液を介する事なく直接満たし得れば,先端の破損も最も少く,接触電位も安定で且抵抗値も直ちに信頼出来る様な電極を得ることが出来,充填法としては最も理想的と考えられる。この事はNastuk6)も強調しており,その趣旨の一方法を記載している。その他古川等1)も直接充填法を報告しているが,これらの方法は何れも時間がかかるか又は可成り手技の習熟を要するもので日常の実験に誰でも手軽に応用できる程便利でない。
電解液の充填には本来上記の様に煮沸や他の液を介する事なく直接満たし得れば,先端の破損も最も少く,接触電位も安定で且抵抗値も直ちに信頼出来る様な電極を得ることが出来,充填法としては最も理想的と考えられる。この事はNastuk6)も強調しており,その趣旨の一方法を記載している。その他古川等1)も直接充填法を報告しているが,これらの方法は何れも時間がかかるか又は可成り手技の習熟を要するもので日常の実験に誰でも手軽に応用できる程便利でない。
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