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文献詳細

雑誌文献

生体の科学8巻4号

1957年08月発行

文献概要

報告

皮膚電気反射に及ぼす気温の影響

著者: 高橋利夫1

所属機関: 1北海道大学医学部第三内科教室

ページ範囲:P.177 - P.182

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 緒言
 皮膚電気反射galvanic skin responce(以下GSRと略す)は汗腺を効果器とする交感神経性の反射で1),心理学的には情緒の示標として用いられ,臨床医学的にも交感神経機能検査法の一つとしてその意義が認められている2)。なおGSRの測定法としては周知のように回路に電流を通ずる通電法と,電流を通ぜずに皮膚の電位変動をみる電位法とがあり,後者の特長が藤森教授3)によつて論じられている。
 さてGSRと密接な関係のある精神性発汗ないし温熱性発汗と気温の関係については,久野教授4)の詳細なる業績があり,またGSRと密接不可分の関係にある皮膚電気抵抗についても,身体の加温や冷却により,それが特異な変化を示すことがRichter等5)によつて明らかにされているが,直接GSRと気温の関係については,一般に気温が高いとGSRが現われ易いという程度のことが知られているに過ぎない。もつとも通電法によるGSRと局所皮膚温の関係についてはGildemeister1),渡部等6)の報告があるが,電位法については充分明らかでない。私は電位法によるGSRに及ぼす気温の影響について,身体部位差,局所皮膚温の問題をも考慮に入れながら検討を加えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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