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特集 酵素と生物 巻頭言
「生体の科学」50号発刊を記念して
著者: 児玉桂三1
所属機関: 1国際酵素化学会議組織,徳島大学
ページ範囲:P.193 - P.193
文献購入ページに移動今日までの酵素化学の歩みを顧るに酵素によつて営為される醗酵は古代に於て人類生活の中に取入れられた技術であるが近代科学の対称として酵素がとり入られたのは1897年Edward Büchnerにより酵母からチマーゼの分離されたことに始まる。爾来いろいろの生物反応に与える酵素の分離精製がもたらされたが,1926年Sumnerによりウレアーゼの結晶化がなしとげられたことは劃期的な進歩である。続いてNorthrop及びKunitzによりペプシン,トリプシン,ヒモトリプシンなどの結晶もとり出され,さらに現在はほとんどあらゆる酵素の結晶が得られるようになつた。結晶化は必ずしも純粋化を意味しないが,しかしその第一歩であることには間違いない。かくして得た結晶はいづれも蛋白質より成立つている。
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