文献詳細
第7回 綜合医学賞入選論文
文献概要
自発的且週期的な遅電位が動物及び人間の脳や神経細胞群に見出されてから既に半世紀になる。Beck5)は家兎,犬の脳に一対の電極を置き,呼吸や脈搏と無関係な自然的電位変動を見出した。Prawdicz-Neminski38)はクラーレを注射した犬の脳に就て自発的電位変動を研究しElektrocerebrogrammと命名した。Berger6)は1929年以来人間の脳においてもかゝる電位変動の存在することを証明し,Elektroercephalogrammと命名して今日の人脳波研究の端緒をひらいた。他方下等動物においても同様な電位変動が研究せられた,即ちAdrian1)はゲンゴロウの剔出した神経索で,又AdrianとBuytendijk2)は金魚の脳についてその存在を証明した。其の後殆んどあらゆる種類の動物に就いてかゝる遅電位が証明せられている。
掲載誌情報