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文献詳細

雑誌文献

生体の科学9巻1号

1958年02月発行

文献概要

綜説

メラノフオーレンホルモンの作用機転

著者: 高橋善彌太1

所属機関: 1東京大学医学部冲中内科

ページ範囲:P.2 - P.10

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 MSH
 古くより動物の体色変化は,動物学者のみならず基礎医学者の興味の対象となつていたが,近年ACTHの製剤が多量に臨床的に使用されて,そのための皮膚のメラニン沈着が観察される様になつてからは臨床医学者の問題ともなつてきた。更に又内分泌学の進歩によりアヂソン氏病患者も長く生存することが出来るようになり,一方多数の両副腎剔出患者が出来るようになつたが,それらの場合持続する皮膚のメラニン沈着の問題は,内分泌学専門医が解決したいと考えている所でもある。実際ハーバード大学のソーン教授の所にはその様な患者が多数訪れ,臨床的にも自覚的にも支障ない様に副腎皮質ホルモンでコントロールされている患者が,皮膚のメラニン沈着を治したいと訴えているとの事である。
 現在メラニン細胞に直接作用するホルモンとしては,脳下垂体中葉,性腺,甲状腺,松果腺のホルモンが知られている。これらの内下垂体中葉から分泌されるホルモンはIntermedin,Melanophoren Hormon,Melanocyte StimulatingHormone(MSH)等種々の名称があるが,MSHと云う名称が簡単なので米国に於てはこの名称が広く用いられる様になりつゝある。MSHは最も研究の進んでいるメラニン関係のホルモンで,ACTH同様ポリペプチドであるが,最近はα-,β-と二種類が発見され共にアミノ酸結合順序まで明かにされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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