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綜説
螢光標識抗体による組織化学的研究法—組織切片上に於ける抗原抗体反応
著者: 田中信男1
所属機関: 1東京大学応用微生物研究所
ページ範囲:P.215 - P.225
文献購入ページに移動 抗原に対する結合力を損はない様に工夫して,抗体に螢光物質をlabelし,之を用いて組織切片上で抗原抗体反応を行わせ,螢光顕微鏡下で観察する方法がCoons等1-3)によつて試みられた。
その結果,抗原抗体反応のもつ高い特異性が組織化学の領域に於いて生物学的活性を有する高分子化合物(例えば蛋白質,細菌多糖体,ホルモン,酵素,ウィールス等)の存在を同定する場合の有力な手段となつて来た。抗体又は抗原にlabelする標識としてはAzo色素や131Iを始めとするRadioactive isotopeが考えられるが,色素は多くの場合顕微鏡下で観察するには余りにも弱く,大量の色素を抗原又は抗体にlabelするとその結合力を損ねる。又Radioactive isotopeをlabelした場合のAutoradiographyは組織学的検索には大きな欠点をもつている4)。
その結果,抗原抗体反応のもつ高い特異性が組織化学の領域に於いて生物学的活性を有する高分子化合物(例えば蛋白質,細菌多糖体,ホルモン,酵素,ウィールス等)の存在を同定する場合の有力な手段となつて来た。抗体又は抗原にlabelする標識としてはAzo色素や131Iを始めとするRadioactive isotopeが考えられるが,色素は多くの場合顕微鏡下で観察するには余りにも弱く,大量の色素を抗原又は抗体にlabelするとその結合力を損ねる。又Radioactive isotopeをlabelした場合のAutoradiographyは組織学的検索には大きな欠点をもつている4)。
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