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論述
衝撃発生の原則と電気刺激
著者: 山極一三1
所属機関: 1東京医歯大生理
ページ範囲:P.226 - P.234
文献購入ページに移動 Ⅰ.問題
神経線維の或る一個所の興奮は次の一個所を興奮させる。此の過程の場所的進行が興奮伝導であり,伝導が実現されたとき衝撃が発生したという。伝導は現象を,衝撃はその実質を指すが,拘わる所は同一である。
従来正常な神経では,興奮と伝導とは常に相伴うものと見做された。刺激理論が局所の興奮を対象とし乍ら,その検証に衝撃が利用された所以である。併し之には充分な証拠がない上に,近代生理学は伝導しない「局所興奮」の存在を立証した。其の本体に就ては専ら閾下興奮説が通用して居るが,異論もあり1a),又他の説を否定する根拠は充分でない。但し本論は其の論議と拘わりなく,興奮として悉無律的興奮丈を考え,それが占める空間的広さ丈を問題とする。
神経線維の或る一個所の興奮は次の一個所を興奮させる。此の過程の場所的進行が興奮伝導であり,伝導が実現されたとき衝撃が発生したという。伝導は現象を,衝撃はその実質を指すが,拘わる所は同一である。
従来正常な神経では,興奮と伝導とは常に相伴うものと見做された。刺激理論が局所の興奮を対象とし乍ら,その検証に衝撃が利用された所以である。併し之には充分な証拠がない上に,近代生理学は伝導しない「局所興奮」の存在を立証した。其の本体に就ては専ら閾下興奮説が通用して居るが,異論もあり1a),又他の説を否定する根拠は充分でない。但し本論は其の論議と拘わりなく,興奮として悉無律的興奮丈を考え,それが占める空間的広さ丈を問題とする。
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