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文献詳細

雑誌文献

生体の科学9巻4号

1958年08月発行

文献概要

論述

Ommatidial action potentialの性質について

著者: 菊地鐐二1

所属機関: 1東京女子医科大学生理学教室

ページ範囲:P.254 - P.264

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 日本産カブトガニ(Tachypleus tridentatis)の側眼のommatidiumの単一経胞内に3MKClを満たした微小電極を刺入して光刺激で得られるommatidial action potential(OAP)の性質を調べた。
 2)OAPは稀れに最高約20mVに達するovershootを示したが,これは短時間の中に減少した。
 3)OAPは通常3相に分けることができる。即ち初期の大きく脱分極する部分(dynamicphase),ほゞ一定のより低い脱分極状態(staticphase),off-sign後の複分極過程(off-effect)。
 4)OAPの潜時は照射時間の変化によつて殆んど影響されなかつた。
 5)dynamic phaseの大きさはある範囲で,照射光強度,間隔,膜電位の増加につれて増大した。
 6)弱い照射光,徐々に強度の増加する刺激光によつては明瞭なdynamic phaseは認められなかつた。
 7)下降期の長さ及び経過はdynamic phaseの大きさ,温度に依存した。
 8)照射時間が0.1秒を越えるとdynamicphaseは増大せず,humpに始るstatic phaseのみ延長した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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