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論述
Na-説は有髄線維にも適用できるか
著者: 佐々木和夫1
所属機関: 1京都大学医学部生理学教室
ページ範囲:P.272 - P.281
文献購入ページに移動 1.Na説について
Na説の有髄神経線維に対する適用の可否について論ずる前に,先ず「Na説」について簡単に述べる事が必要であろう。
いま「神経及び筋細胞の活動時にNaイオンの出入が増す──Naイオンに対するそれ等の細胞膜の透過性が一時的に増大する──事が活動電位発生の根本現象である」と言うのがNa説の骨子と考えるならば,既にOvertonの時代にその端を発し1),Bernsteinの膜説も重要な基礎になつたと思われる2)。
Na説の有髄神経線維に対する適用の可否について論ずる前に,先ず「Na説」について簡単に述べる事が必要であろう。
いま「神経及び筋細胞の活動時にNaイオンの出入が増す──Naイオンに対するそれ等の細胞膜の透過性が一時的に増大する──事が活動電位発生の根本現象である」と言うのがNa説の骨子と考えるならば,既にOvertonの時代にその端を発し1),Bernsteinの膜説も重要な基礎になつたと思われる2)。
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