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文献詳細

雑誌文献

生体の科学9巻5号

1958年10月発行

文献概要

巻頭言

苦言

著者: 小山良修1

所属機関: 1東京女子医大薬理学教室

ページ範囲:P.297 - P.297

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 重箱の右の隅をほじつた外人(他人といつた方が穏当であろうが)の仕事に対し左の隅をいじつてホコリが少し多いの少ないのといつて,その外人と同じ水準の学者になつたような顔をする。そもそもその重箱はその外入が見つけたのではなかつたか。
 学会などでも電気や化学の知識は深く又,興味もあるらしいが,こと動物の事になると純系(こんな言葉は実験動物にはおかしいのであるが)ならどんな飼育管理でもよい,生きていればいいだろう位の軽視の仕方が多い。こんな風潮は微により大の全体を知るためであろうが,学会の演題でも電気や化学のテクニックものになると聴衆も多くなり(そうしたテクニックの研究会でない会合においてのことであるが),さて討論となると,例えば,その所で幾%,幾mgをどうしたか,ということであつて聴衆全体にとつてよりも個人的に話合つてもよさそうなことをやり出す。更におかしいのは何何氏法の変法とか改良法をやつたといとも軽くいうものがある。何何氏がその方法にゆきつくまでにはずいぶん苦労したのであろうと思われるのにあつさり変法する。そうならば,それだけの理由をのべてほしい。まして改"良"法にいたつてはなお更のことである。序ながら何何をやりましたかと質問する人があるが,演者はやつていないからいわぬのであるから演者の渋い顔になる時は気の毒である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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