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文献詳細

雑誌文献

生体の科学9巻6号

1958年12月発行

文献概要

綜説

心筋のアデノシンヌクレオチドについて(とくに"Herznucleotid"について)

著者: 宮本侃治1

所属機関: 1東大医学部栄養学教室(現在 東大,伝研,化学研究部)

ページ範囲:P.350 - P.353

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 1.まえがき
 すでに骨骼筋ではA-5'-MP1),ATP2)-3),ADP4)が見出されて,脊椎動物以外でも甲殼類,軟体動物にもその存在が知られている3)。これらヌクレオチドはクレアチン燐酸などと共にATP-クレアチンtransphosphorylase,ATP-ase,Adenylate kinaseなどの酵素の関与のもとで複雑な筋収縮の機能を果していることば周知の事実である。又最近ではまだ生物学的役割の明らかでないアデノシン・テトラ燐酸5)〜6),アデノシン・ペンタ燐酸7)も骨酪筋での存在が認められている。
 これらの発見の途上,心筋から特別なヌクレオチド"Herznucleotid"が分離されたと報告された時期がある。最初Embden16)が"Herznucleotid"と名づけて以来Ostern8)-9)など多くの人たちによつてATPとADPの結合したと考えられるジアデノシン・ペンタ燐酸として取扱われてきた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1883-5503

印刷版ISSN:0370-9531

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