[座談會]病院管理の問題
著者:
坂口康藏1
河野鎭雄2
栗山重信2
吉田幸雄2
守屋博2
島内武文2
久松榮一郎
岩佐潔
所属機関:
1國立東京第一病院
2厚生省
ページ範囲:P.11 - P.21
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久松 御挨拶申上げます。私の方で今度「病院」という雑誌を企画いたしました。日本の病院はなんと云いますか,ほんとうに欧米の病院と比較して發逹がおくれております。それにつきまして,この度アメリカが進駐してまいりましてから日本の病院についても相当に改革的な意見が出まして,病院は変ってゆくという段階に入って來たようであります。ところが病院を良くしてゆくということは肯れるのでありますが,その中味になる病院をいかに管理すべきか,病院というものがどうなくてはならないかということについてはまだ勉強してゆかなければならないと思います。その病院の管理ということに対する新しい方向に医学的経験が産出されてゆかなければ日本の病院の發達はなかなか軌道にのってゆかないのではなかろうか,それにつきまして雑誌を通じて,病院の管理の衝に当っておられる方ないし病院に勤務している方,病院に關心をもたれる一般の方に対しまして多少ともお役に立つものができれば非常に幸と考えまして,「病院」という雑誌を計画したのであります。
それにつきまして本日はお忙しいところを諸先生においでいただきまして病院管理をめぐる座談会を催すことにしたのであります。なんと云いましても病院の管理ということが中心でありますからこの問題を取上げたのですが,今日の座談会は坂口先生に座長のお役目をお願い申し上げたいと存じます。