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病院經理の理論(下)
著者: 山元昌之1
所属機関: 1滋賀大事務局
ページ範囲:P.26 - P.29
文献購入ページに移動前記の通り,経営分析は,経営の結果を判断し以て將來の経営管理に対する指針を得んとするものであるが,現に進行中の経営に対して其の指針が必要である。この目的のために各種の中間報告が用いられる。中間報告の中には管理者から隨時に要求されるものと,定期に調製されるものとがある。この定期報告の中,財務管理上必要なものは會計定期報告である。
會計定期報告の主なものは(1)現金比較報告書(2)豫算と實經費との比較(3)部門別豫算と實經費との比較(4)部門別消費量統計等である。このような報告は該期間の病院活動が效率的に運營されたか否かの判斷に對して健全な根據を提供するものである。勿論效率の問題は比較的なものである。前年同期に此べて經費が減少しているという事實は一般に滿足を以て受け入れられる。しかしながら部門別計算によつて示された基本數字及び單位經費が前年同期と比較された場合,仕事の分量が相當少いことが發見されるかも知れない。又其の縮減は單に物價下落によつてのみもたらされたものかも知れない。故に單に項目別に全經費を報告するのみでは不充分である。消費量の發表は最も重要である。物價下落は浪費を隱蔽することがある。故に財務に對すると同様に消費が冷嚴な統制下におかれることが必要である。
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