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文献詳細

雑誌文献

病院1巻5号

1949年11月発行

文献概要

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醫學の進歩に伴う治療形態の變化

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.29 - P.29

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ペニシリン及びストレプトマイシンの使用法

 ぺニシリンやストレプトマイシンを使用するに当っては,その血液濃度に重きがおかれ,一定濃度以下では抗菌作用が十分に発揮されないから,その治療效果は不完全であると考えられ,效果的な血中濃度を保つために,短時間々隔の系統的注射が絶対に必要であるとされ,3〜4時間毎に注射するのが常識となっている。

 ところが最近アメリカ側の報道によれば,肺炎の治療に際して,水溶性ペニシリンを1日2回12時間おきに注射するだけで,今までの方法と同様の效果があることを明らかにしている。尤もその使用量は1回10万單位前後である。軽症なもの,殊に全身症状の強くない限局性化膿性疾患等には,1日1回やゝ大量をさすだけでよく,この際局所注射を兼ねるのが最も效果的である。また梅毒治療には,従来1日数十万單位の油臘ペニシリンを連日注射して全量数百万單位を要すると云われていたが,ごく最近の話では,水溶性のものを1日1回30万単位ずつ8日間で,早期梅毒を治し得るということである。これは,従来ペニシリンの血中濃度に重きを置いて間歇注射が推奨されたのであるが,近頃の研究によって,血中濃度が低下しても,病巣組織内のペニシリン濃度は遙に長時間に亘って高く保持されることが判った事実に依る。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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