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文献詳細

雑誌文献

病院10巻4号

1954年04月発行

文献概要

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病院史概説(2)

著者: 岩佐潔1

所属機関: 1病院管理研修所

ページ範囲:P.23 - P.25

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1.ギリシア以前並びにローマへの移行
(1)エジプトの医学と病院
 医療の起源については遠く太古に溯つて肉親に対する愛情や,病者,不具者に対する同情から次第に経験が積まれて知識が整理されてくることが想像きれるが,フランスのアリエーヂ(Ariege)でブグーエン(Begou'en)の息子3人によつて発見されたと言うクロ・マニヨン人(Cro-magnon)の洞窟絵には,神と人とのなかだちとして疾病の治療を行つたと言われるメジシン・マン(medi-cine man)と思われる人物が発見された。これは2万年以上も前のものと推定されているが,その後長い間神に近い立場にある僧侶や国王が医療に対するある程度の力を持つていると考えられていたことは,いずれの国においても見られる所である。
 エヂプトもその例外ではなかつた。ナイル河畔に人類最古の文明の一つが栄えたのは遠い昔であつて,前3000年頃にはメンフイス(memphis)を首都とする統一国家が出来たと規定され以後2500年間に30の王朝が交替した。これらはアジア的専制君主制の国家で君主を中心とする,官僚,神官軍人等の少数貴族と多数の貧民から出来ていた。中央政府の権力が衰えると地方の官僚は土着して王候となり,一種の封建制度が起つたが治水灌漑の必要上長く分裂状態にあることが出来ず,再び新王朝が樹立されると言う現象が繰返された。普通大きく古王国,中王国,新王国の三期にわけている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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