一般講演抄録
著者:
石原信吾
,
片山弘
,
真銅参太郞
,
片山みち
,
片山よう
,
小田恭子
,
須賀幼子
,
長谷川昭子
,
植木敦子
,
赤星一郞
,
栗本淸次
,
滝野賢一
,
原素行
,
石井智恵子
,
吉田幸雄
,
守屋博
,
小川健比子
,
佐藤愛子
,
村田三千彦
,
佐川誠一
,
中島
,
武藤多作
,
安河内五郎
,
一条勝夫
,
島內武文
,
尾口平吉
,
小野養之助
,
神崎三益
,
井手一郞
,
金子敏輔
,
中村俊雄
,
佐々木のぶ
,
石戸谷ちゑ
,
清水寛
,
長岐佐武郎
,
河合五郎
,
西村生和
,
片山信
,
福原公明
,
片山一彦
,
奥川よし子
,
菅原かね
,
金田重雄
,
菱田雅子
,
小川信一
,
高須泰彦
,
松田進勇
,
菊地真一郎
,
橋本寛敏
ページ範囲:P.14 - P.26
1.我国病院に於ける医療社会事業の現況について
医療社会事業は,終戦後特に大きく取上げられ,病院の医療体制にとつて一つの新しい課題になつているが,この仕事の,病院に対するその後の普及状況並びにその実施内容の実態については,現在必ずしも明かにされてはいない。そこで,こうした点を明かにする為に,厚生省所管の一般病院及び結核病院の全部とその他の100床乃至200床以上の病院の,両者合せて約680の病院について実態調査を行つてみた。調査方法が不完全であつた為得られた数字は充分正確に現況を表わすものとは言い得ないが,大体の動向がうかがえると思うので,一応その結果を報告する。
先づ,専任ウワーカーを置いている病院数は81という結果が得られたが,その殆んどが公益法人立の病院及び厚生省所管の病院である。この分布の際立つた偏在状態は何に起因するか。私はそれを,この仕事の本質に対する理解の偏りに求めたい。次に病院規模別にその実施率を見ると,病院規模が大きくなるに従つてその率の上昇が見られるという当然の結果が得られた。500床以上の病院について見ればその20%強が実施している。然しこれを全病院について見れば,その実施率はわずかに2%に過ぎない。