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病院長プロフイル・15
剛毅不抜の士一見赳夫氏仙台市立病院長
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ページ範囲:P.38 - P.38
文献購入ページに移動 病院協会総会には毎回その人ありと知られている院長は,若くしてかの東北の名院長加藤豊治郎名誉教授の愛弟子として,昭和5年今日の仙台市立病院に赴任していた。若い情熱と信念とにみちた院長は,深更に至るまで押しかける患者と取組んだ。病院は急速に膨脹して,昭和13年には鉄筋コンクリートに改築,その後しばらくにしてかの戦災にあつた。氏は奮然たつて,虚脱と欠乏の中を文字通り駆けまわつて,またたく間に今日「病院をみるなら東北では仙台市立病院だね」といわれるまでにつくりあげた。
病院は仙台の中心部に位し,戦災後にわかに拡がつた仙台の目抜き通りに接して,堂々たるものである。病棟には洗濯物の乾燥装置をつけ,便器おき場にはチヤンと排気筒がつけてある。病室のドアも独得のよろい戸が仕込まれている。中央廊下ブロツク式の気持のよい病院のすみずみ迄,院長の心づかいが滲透している。東北の暗い自炊式病院をこれまでにしたのは,全く院長の進歩性のたまものであろう。今日も病院は博士の政治手腕と市当局の信頼とを物語る様に,つねに拡張をつづけ,建築のつち音の絶えることがない。
病院は仙台の中心部に位し,戦災後にわかに拡がつた仙台の目抜き通りに接して,堂々たるものである。病棟には洗濯物の乾燥装置をつけ,便器おき場にはチヤンと排気筒がつけてある。病室のドアも独得のよろい戸が仕込まれている。中央廊下ブロツク式の気持のよい病院のすみずみ迄,院長の心づかいが滲透している。東北の暗い自炊式病院をこれまでにしたのは,全く院長の進歩性のたまものであろう。今日も病院は博士の政治手腕と市当局の信頼とを物語る様に,つねに拡張をつづけ,建築のつち音の絶えることがない。
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