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文献詳細

雑誌文献

病院11巻4号

1954年10月発行

文献概要

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病院史概説(7)

著者: 岩佐潔1

所属機関: 1病院管理研修所

ページ範囲:P.43 - P.46

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VII.イギリスの病院の発達
1)イギリス(ブリタニア島)の歴史
 ブリタニア島は紀元前55年ケーザルがガリア総督であつた時代,海を渡つて征服して以来,ローマの支配下にあつたが,その後久しく歴史上中枢的位置をしめることはなかつた。その後大陸で民族移動が行われた5世紀の頃,北ドイツ地方からアングロ・サクソン等のゲルマン諸部族が大挙移住してこの地を征服し,いくつかの小国を建てローマ文化を駆逐した。828年に至つてブルタニア島南方にあつたウエセツクス王エグバートが統一しイングランド王国をつくつた。これが今日のイギリスの起源である。それでイギリスはゲルマン系の言語と文化を持つ国として今日まで及んでいる。この頃キリスト教もまたこの地に布教され,それと同時に大陸におけると同じ様なキリスト教による貧病者の収容施設が出来たが,詳しい記録はない。記録に残つている最古の病院はカンタベリー(Canterbury)の大僧正が900年に創設したものである。その後第二次の民族移動とも言うべきノルマンの侵入が始まつた。ノルマン人と言うのは元来スカンデイナヴイア半島やデンマーク方面に居残つたゲルマン民族の一派で本国が農業に適さない関係から航海に長じていたが9世紀頃より,移動を開始しヨーロツパの沿海諸地方の住民を襲つて掠奪を行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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