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文献詳細

雑誌文献

病院11巻5号

1954年11月発行

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病院史概説(9)

著者: 岩佐潔1

所属機関: 1病院管理研修所

ページ範囲:P.39 - P.42

文献概要

VIII.初期イタリアの病院
1)フランク王国分裂前後のイタリアの病院
 西ヨーロツパを統一したフランク王国もチヤールス大帝の死後870年3分されて東西フランク及びイタリアの3部となり,これが今日のドイツ,フランス,イタリアの起源となつたのであるが,この内イタリアは統一国家としての成立は一番おくれるのであるが,ローマ帝国の伝統をつぐ地であり,中央部には法王の座ローマを持ち又早くから自治都市の発達が見られて文化的には他にさきがけていた。従つてローマを始め各地にすぐれた病院が創られている。
 ローマ法王領が作られてから(755年)最初の病院は800年法王レオ3世(Leo III795—816)がローマに創つたOspedale di San Pietoである。1090年にはソロルがシエニナ(Sienna)にOsp-edale di Santa Maria della Scalaと言う病院を創つた。彼は修道士でこの病院と同時に病人の世話を目的とする信徒結社を組織し棄兒を収容して結婚出来る年齢まで世話をする棄兒養育院を附属していた。こんな関係でこの病院は看護においてすぐれており特に14世紀になつてこの病院で看護に当つていたカテリナ・ベニンカサ(1347-1381)は図々しい病人に対しても限りない親切をつくすことをモツトーとした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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