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文献詳細

雑誌文献

病院11巻6号

1954年12月発行

文献概要

病院長プロフイル・18

病院協会連続会長上条秀介氏(昭和医科大学学長)

著者:

所属機関:

ページ範囲:P.52 - P.52

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 病院長列伝中,初回以来連続三選の病院協会長上条秀介氏に御登場願わぬ手はないだろう。上条秀介と云う名を聞けば昭和医大創設者として,北里,吉岡級の大御所を想像するであろうが,小がらで猪首の若々しい精力的な実業家タイプの本人に出会つて,何となく戸まどわぬ人は少いであろう。それと云うのが,氏が学校を開設したのは,30前の年代であるからである。氏はその性格が示す如く,定型的な信州人である。東京帝国大学を卒業後三浦内科に籍をおいて,他の同僚が悠々と基礎廻りをやつている間に,手廻しよく2年間で博士論文を物にしたのである。その最年少博士はそのまま医局で教授コースを,コツコツたどるかと云えばさにあらず,岡田名誉教授をかついでサツサと一学校を開いたのである。当時慶応を始めとして,慈恵,日医大は全国の医専が大学昇格ブームで一挙大学になり,手軽な医者のあとが絶えた時代であるが,社会はやはり医専出を要求したのである。三越,松屋が必要である如く,東横,西武デパートの要求があつたのである。そこをねらつたのが氏の穴師としての名をなしたユエンである。少し先輩であるが,日医大,帝国女医専の創設者,額田豊氏は東大としては稀しい名企業家の双壁である。
 氏の経営方針は,あくまで合理主義であり実質主義である。医学コース入学希望者はいつの世でも無限である。一方大学の医局には,万年講師・万年助手がウヂヤウヂヤいる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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