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文献詳細

雑誌文献

病院13巻6号

1955年12月発行

文献概要

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食養問題についての若干の考察

著者: 村上実1

所属機関: 1愛媛県新居浜市別子病院

ページ範囲:P.45 - P.49

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I.食養の在り方についての考察
 筆者は栄養士でもなければ,調理士でもない。日常食養業務に関係している,一事務員に過ぎないから,献立や食事内容について論ずる資格はない。ただ,食養事務室の一隅に座して,眼に触れ耳に聞くことどもの中から,問題点と思考される事柄を抽出して『岡目八目』的所見を述べて見たいと思うのである。
 古い時代の病院炊事は,いわゆる『板場さん』が中心となり,炊事婦を指揮して調理し,単に,三度三度の食事を患者に提供することを以て,能事了れりとする処の下宿屋か,寄宿舎式給食方式がとられて,別に不思議とされなかつたのである。このやり方は,今日から見れば『管理以前』の考え方に基くものであり,過渡的現象として,当然と言えば当然かも知れないが,患者にとつては,まことに迷惑至極なことであつたに違いない。尤も,その当時は完全看護は実施きれておらず,付添人をおくことも自由であつた上に,病院給食の喫食は必ずしも強制されるものではなかつたから,多くの場合,病院から提供きれるものは付添人に食わせ,患者の食事は付添人が自炊をして,本人の嗜好に応じたものを提供することによつて,一応満足していたのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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