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あとがき
著者:
吉田幸雄
所属機関:
ページ範囲:P.858 - P.858
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愈々旬日で昭和32年も終りを告げます。今年は,良きにつけ,悪しきにつけ,病院にとつて多彩の年でしたでしよう。最も大きな問題は健保の診療報酬の問題でした。立場立場で主張が違つて来るのは当然ですが,病院協会と医師会が少くとも反目するようになることは,日本の医療にとつての不幸です。お互に虚心に理解し会い協力し合える為には,勿論お互の努力も要ることですが,日本の病院と医師との組合せ方に不合理があることが,このような結果を生まざるを得ない結果になるのではないでしようか。もう随分古くから課題になつて居ながら末に解決されていないこの問題について,病院側として一層の努力が必要であり,その解決こそ,日本の医療を正しい姿にする道を開くことになるのではないでしようか。本誌上来年はこの問題を再び大きく取上げて行き度いと思いますので,奮つて御投稿を願います。
さて,今月号は,偶々薬局の原稿が多く集りましたので,薬局特集といたしました。そして,座談会としては,「病院と錠剤」の問題をとり上げました。欧米では,錠剤の使用が絶対であるに不拘,日本では,未だに原始的な一剤一剤の調剤に日を暮しているのを何とか改善したいものと思い,それぞれの権威者に集つて頂いて,問題解決の鍵を探して頂きました。