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文献詳細

雑誌文献

病院17巻10号

1958年09月発行

文献概要

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病院未収入金問題

著者: 落合勝一郎1

所属機関: 1聖ルカ国際病院

ページ範囲:P.763 - P.768

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 病院に於ける診療費の未収入額は,病院収入の上では大きな比率ではないが,未収入金は対策を講じないで無計画に放置すると増大する性質のもので病院経済を圧迫する。
 病院の未収入金の特長は①信用貸,②長期債権で且つコゲ付き易い。これは,何の担保も抵当もとらない貸しで,然も長期化し,コゲ付き易い点は他の社会では見られない特異なものである。患者は他の社会では与えられない位の高額の信用貸しを病院で得られる。例えば吾々は百貨店で5万円の品物を信用で買う手は仲々困難であるし,又銀行から無担保で5万門の金を借りる事も難しいが病院では,うつかりしていると忽ち5万や10万の貸しは出来て仕舞う。最近は未収入金問題の質問が多くなつているが,これは今迄放置しておいた未収入金がつもりつもつて病院経済に少しつつ影響を与え始めているものと見度い。国立の医育機関病院では未収入金の取立の為に債権管理簿や債権整理簿を整備し,取立専任者として債権管理官をおいて取立を強化し,最終的には強制執行を行つたり,訴訟手続を執行したりして,未収入金の強制回収を行つている。この様な法による取立の強化は病院の性格から考えると,大いに議論の存する所であろうが,この問題はここではふれない事にして,私の病院の未収入金の分析と,未収入金対策について記して見度い。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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