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雑誌目次

雑誌文献

病院17巻9号

1958年08月発行

雑誌目次

会長挨拶

第8回日本病院学会の開催に当つて

著者: 三宅博

ページ範囲:P.637 - P.637

 いよいよ筑紫路に百花綻び,燃ゆるが如き新緑に風薫る5月21日,22日の両日当福岡において,初めて日本病院学会を開催することを得ますことは,真に光栄に存ずるところであります。
 日本病院学会も本年をもつて回を重ねること既に8回となりましたが,年々歳々この学会が盛会になつてきましたことは心から御同慶の至りに堪えません。

第8回日本病院学会総会演説抄録 一般演説

1.開院当時の給食業務について,他

著者: 相羽富美子

ページ範囲:P.638 - P.653

 病院開設当初においては,諸度調弁費にも制限がありまた入院患者の漸増もあつて,給食関係の処理にもいろいろ困難の問題がある。当院の開設以来10カ月を経たので,その間における苦心した点を報告し,御批判を仰ぎたく思う。
1.器械器具の整備について:配膳車,食器,パンラツク2.給食材料受払いの事務処理について3.給食業務運営のあり方について

座談会

病院学会をかえりみて

著者: 吉田幸雄 ,   鶴丸広長 ,   小野田敏郎 ,   赤星一郎 ,   村山午朔 ,   金子敏輔 ,   守屋博 ,   島内武文 ,   原素行

ページ範囲:P.655 - P.670

 吉田 お疲れのところを引続きお集まり頂きまして申訳けございませんでした。
 学会が終りますと,直ぐそのまま録音して,学会の感想をお互に述べあいまして病院の雑誌の学会特集号に載せるのが慣例になつております。

グラフ

第8回日本病院学会総会

ページ範囲:P.673 - P.680

シンポジウム

病院における看護業務のあり方について

著者: 林塩 ,   重松智子 ,   松垣忠国 ,   美野千代乃 ,   橋本寛敏 ,   広川与吉 ,   納所孝 ,   武田鵜城郎 ,   内野梅子

ページ範囲:P.681 - P.693

 林 看護のあり方は,非常に慎重な考慮を要する問題なのではないかと考えます。病院の機能といたしましては,病院に患者さんを收容することによりまして,医学の知識と看護の技術をもつて,患者さんの早期の回復を望みたい。それから,再びそういう病気になりませんための保健指導ということが,病院に課せられました非常に大きな使命のように考えます。昔から病気がなおりますのは1に管理,2に薬ということを申しております。しかしながら,看護婦の業務が果してその目的が達成されるようなあり方に置かれているかどうかにつきましては,検討を要することだろうと存じます。もちろんこの早期回復及び保険指導につきましては,経済上の問題,病院の従来の伝統的なあり方,病院管理,看護管理の問題,その他病院の職員看護婦を加えた人たちが看護のあり方についてはつきりした認識をもつているかどうかというような,いろいろな問題をめぐりまして,病院が達成せねばならない使命を,看護婦が必ずしも担つてそれを完璧にしているとは申されないとは存じます。従いまして病院における看護業務のあり方に検討を加えまして,これの改善,向上をはかりますことは,病院管理の上からもゆるがせにできない問題であろうと考えます。

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第8回病院学会記

著者: 落合勝一郎

ページ範囲:P.695 - P.700

(I)
 毎年,学会の開催日は6月中旬の梅雨時で,じめじめした,むされる暑さの中でやつたものだが,今年は5月21日,22日の両日,五月晴の乾燥した快晴に恵まれて行われた。先ず開催日の選定に於いて大成功であつた。場所は九州大学医学部の中央大講堂である。定刻8時30分少し前九大の門をくぐる。門の正面に第八回日本病院学会会場の大看板が人目をひく。参会者受付所は地区別に分れ手際よくさばいている。出題者のスライド受付,食券売場,展示場案内,呼出し電話の配置等,その他係員は無駄なく豊富に配置され,全てがビジネス・ライクで行き届いている。
 会場に入る。1,000名は楽に入れると云う大講堂で,音響効果もよい。スライドスクリーンはかみしも型で二つのスライドが同時に映る様設計されており,議長席,演者席の配置も良好,前列左側には進行係,抄録係,次演者席,発言者席が電気アンドンで整然と位置しており,拡声機装置も,プログラム掲示板も良く,舞台装置も先ず満点である。

評議員会の記録

著者: 田代英太郎

ページ範囲:P.701 - P.701

 例年学会第1日に評議員会を開催する習わしに従つて,今年度の学会評議員会も学会第1日の昼休中を利用して,学会会場に隣接する会議室に於いて行われた。この会議室は医学部の教授会の開かれる所であつて,学会評議員会にはふさわしいものであつた。毎年の評議員会で思うのであるが時間に追われて充分な討議が出来ない感があるが,本年もそんな心配がありながら,どうも致し方なかつた。正午を少し廻つてから開会されたが,全評議員43名の内32名出席を得て,田代幹事長の開会により行われ,三宅会長所用のため,幹事長が座長となり議事が進行された。
 先ず吉田前学会幹事長より前年度学会の会計報告があり,全員異議なく之を承認した。

研修所だより

著者: 今村

ページ範囲:P.705 - P.706

 前期終了研修所の講習は4月から1年間,次々に行われていますが,8月を境に2分して考えることもできます。8月は"学校"に準じて講習は夏休みです。
 今年は4月18日に開設者講習を皮切りとし,事務長2回,院長1回そして最後の医療監視員が7月24日に終りました。この間に1カ月の長期研修科が6月19日より7月19日まで行われました。

あとがき

ページ範囲:P.707 - P.707

 今年の夏は遅れてやつて来ましたが,それだけ大出しとなつて,全国的にウダツタ状態です。病気で入院している方は勿論,職員の方も大変御苦労な事と思います。
 偖,毎月発刊が遅れて申しわけありませんが,ヤツトお待ちかねの第8回病院学会特集号をお手元にお届け出来るようになりました。

病院協会

日本病院協会だより

ページ範囲:P.703 - P.704

 I.
 昨年10月5日,日本病院協会は,東京駿河台,山の上ホテルにおいて,臨時総会を開き,(1)厚生省案甲表の主旨に賛成し,(2)乙表はその存在を妨げない,旨の決議を行つた。その後,9カ月,幾多の迂余曲折を経たが協会が終始1貫して,合理化のための,確乎たる,その主張をまげなかつたことは,執行部,代議員会,その他会員大多数の一糸乱れない,団結と信念との結果に他ならない。斯くて,値上げのわくの大幅な拡大の一点を除外して,他の諸点においては,日病決議の趣旨の通りの,10月1日よりの健康保険診療費改訂が,厚生省告示第177号を以て6月30日公布された。このことは,明治以降今日にいたる,医療報酬の観念に,根本的な変更を加えた,国民医療史上における大革命である。既往を顧みて感慨なきを得ない。告示された算定方法によると,甲表(いわゆる合理化案)は,厚生省原案に対して,日病その他が,幾多の手直しを加えたものであつて,8.5%の値上げ,今後の国民医療の方向を決定づけるものであり,乙表は,原案に対して,日医が修正を施したものであつて,同じく8.5%の値上げ原案との差において,最大のものは,甲,乙両地の地域差を,原案において5%のものを8%に拡げた点にある。このことは,乙表に対しては,その存在を妨げないと云う程度の意思表示しかしていない,わが日病としても,甲,乙地域差の撤廃を,年来の主張としている,その立場から,不満なきを得ない点ではある。

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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