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雑誌目次

雑誌文献

病院18巻10号

1959年09月発行

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特集 第9回日本病院学会総会 会長挨拶

第9回日本病院学会の開催に当つて

著者: 中山栄之助

ページ範囲:P.707 - P.707

 病院学会が年を重ねるに従つて益々その内容の充実してくることは慶賀に堪えぬ次第です。今回,当新潟地に開催され不肖私が会長として主催することになりましたが,設備,準備など不行届きがあるかと存じますので,予め御容赦を願います。
 病院の発達により医療の進展はみられますが,これを広く世界的に眺めて見ますと,日本の社会組織,地理的条件など,必ずしも満足するものではないと考えます。医学の研究のみが進んだとしても,これを応用すべき場,応用さすべき社会が充分これに関心がないことにはその実績のあがるはずはありません。幸いこの学会においては種々の研究が毎年新しく充実されるとしても,社会的にこれが必要性を強調して,政府,および社会人に病院充実の意義と使命とを訴えて,理解を深からしめ,以つて,目的を達するような動きも必要であろうと思います。

シンポジウム 中小病院の経営実態

組織について,他

著者: 谷口昇

ページ範囲:P.751 - P.763

 司会 ただいまよりシンポジウムを始めさせていただきます。まず,組織について長岡日赤病院長谷口さんにお願いします。
 谷口 あらましをお話しいたしたいと思いますが,組織と申しましても中小病院の範囲ではどの程度のものを取るかということでありますが,これにはいろいろ御意見があると思いますが,まず,ここで申しますことは病院の建築形式ということがまず第1と,それから標榜しております診療科目,つまり設置科目ということについてお話し申し上げます。それから第3番目にはこのいろいろな施設がございますが,どういう施設をしているか,そういう施設ということについて表を御覧に入れます。それから4番目といたしまして最後に人員構成について表を御覧に入れます。それではスライドをお願いいたします。

第9回日本病院学会総会講演抄録 一般演説

1.綜合病院における病棟の設計について,他

著者: 吉武泰水 ,   伊藤誠 ,   栗原嘉一郎 ,   野村東太

ページ範囲:P.708 - P.728

 最近建つた新しい病院の病棟を見ると,1つの階を1乃至2看護単位として,大抵は各階ほとんど同一プランをつみ重ねていわゆる病棟ブロツクを形作つている。すなわち設計としては比較的単純なくりかえしとして扱われている。こうした扱いは,配線,配管上下交通ルートなど建築的,設備的に有利な点が多いが,かといつていろいろな種類の患者に対して常に全く同じプランのくりかえしでよいはずはない。
 病院の建設に当つては,いろいろな種類の患者に対応した病棟を準備するという意味で,次のような条件を考慮しなければならない。

グラフ

第9回日本病院学会総会

ページ範囲:P.729 - P.736

座談会

病院学会を顧みて

著者: 吉田幸雄 ,   守屋博 ,   島内武文 ,   木村英雄 ,   尾口平吉 ,   金子光 ,   鶴丸広長 ,   畑井ぎん ,   村山午朔 ,   小野田敏郎

ページ範囲:P.738 - P.747

 司会 皆さん大変お疲れのところ恐れ入ります。例年の通り学会評判記とでも申しましようか。この2日間の行事を回顧しまして皆さん方で,いろいろ御批判なり,また地元の御苦心なりを伺いまして,読者の御参考にしたいと思うんです。学会全体の印象は……
 守屋 今度で9回目ですかね。これは第1回の時から一ぺん新潟へ来ようということは,皆さんが,そう言つていたんですが,遂に実現したということは,初めから関係している連中にとつて非常に楽しかつたですね。想いがかなつたというところですね(笑声)と言うのは新潟の病院運動ですね。これは病院協会が出来たのは一番古いんじやないんですか。

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第9回病院学会記

著者: 石原信吾

ページ範囲:P.765 - P.772

 病院学会も9歳の齢を重ねて,今年の第9回学会は,第6回の大阪,第8回の福岡に続いて,第3回目の地方開催となつた。大阪学会の時以来,病院学会は東京と地方で1年おきに開きたいという構想があり,その為,昨年の福岡学会に於ても次回は東京,塩沢総一博士会長と決定されたのであるが,第10回記念学会を東京で開く為と,新潟開催については前々からの強い要望もあつた関係で,その予定が変更されて,連続2年の地方学会となつたのである。学会長は新潟大学医学部産婦人科教授中山栄之助博士。幹事長は木村新潟県病院局長。これを援助するものとして新潟県病院局の職員並びに新潟県病院協会のメンバーという体制であつた。
 さて,学会の印象であるが,総体として,文句なしに盛会であつたと言いたい。盛会という言葉は,例年の学会記担当者が大抵使つているので,同じように言いたくないのであるが,矢張りそう言わざるを得ない。而も,前任各担当者同様,矢張り如何なる先行学会よりも一層盛況を加えたと言おざるを得ないのである。一体,学会記の担当者などというものは,1回限りの任務ということから来る無責任さから,いい加減のお座なりを言うものであろうか。私は,そうは思わない。皆,それぞれ,正直に実感を語つているのに相違ない。私が見るところによつても,確かに病院学会は回を重ねる毎に盛況の度を加えている。数字的にも参加者の数や演題の数がはつきりそれを示している。

評議員会の記録

著者: 木村英雄

ページ範囲:P.773 - P.773

 例年学会の通り第1日に評議員会が正午過ぎ開会された。部屋が狭く食事を差上げるにも不便を感じた程で申訳けなかつた次第であつた。中山会長座長となつて議事は進行。先ず第8回学会幹事長田代委員に代つて,赤星委員より前年度学会の決算報告があり,全員異議なく承認した。

床の間のある病室

著者: 今村栄一

ページ範囲:P.776 - P.777

日本間の病室
 近代的の病室というと洋式の病室がすぐ頭に浮かんてくる。われわれの頭の中にある日本間の病室の印象はあまり良いものではない。すりきれた畳の上に患者が寝ていて,そらわきに家族がきゆうくつにたむろしていたりあるいは畳の上に木造のベツトが置かれていたりという終戦後のみじめな光景を忘れることができない。
 「健康人はホテルに泊り,病人は病院に泊る」ということが,病院管理のおこりはじめた頃よく言われたものである。ホテルに対するならば洋式の病室ということになる。それでは「健康人は旅館に泊り,病人は病院に泊る」こ言い換えることはできないだろう。ホテルもりつぱになつたが,旅館もすばらしくなつた。しかし病院の日本間は消えて行つた。

第9回日本病院学会総会記念写真

ページ範囲:P.779 - P.779

頒価(送料共)150円
御申込締切10月末日

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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