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文献詳細

雑誌文献

病院18巻10号

1959年09月発行

文献概要

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床の間のある病室

著者: 今村栄一

所属機関:

ページ範囲:P.776 - P.777

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日本間の病室
 近代的の病室というと洋式の病室がすぐ頭に浮かんてくる。われわれの頭の中にある日本間の病室の印象はあまり良いものではない。すりきれた畳の上に患者が寝ていて,そらわきに家族がきゆうくつにたむろしていたりあるいは畳の上に木造のベツトが置かれていたりという終戦後のみじめな光景を忘れることができない。
 「健康人はホテルに泊り,病人は病院に泊る」ということが,病院管理のおこりはじめた頃よく言われたものである。ホテルに対するならば洋式の病室ということになる。それでは「健康人は旅館に泊り,病人は病院に泊る」こ言い換えることはできないだろう。ホテルもりつぱになつたが,旅館もすばらしくなつた。しかし病院の日本間は消えて行つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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