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あとがき
著者: 吉田
所属機関:
ページ範囲:P.704 - P.704
文献購入ページに移動 今年は例年にくらべ,日本中暑さが酷しかつたようです。もつともこの暑さは世界的でしかも毎年上昇する傾向にあるということだそうです。そうなると唯暑いといつているだけの問題ではなく,病院もこれと真剣にとり組まねばならぬ時期が来ていると見るべきでしよう。健康の人でも,暑さのために健康を害したり,ノイローゼになります。まして病人にとつては暑さは重大です。病人をあずかり,環境的にも治療する病院は当然この問題に無関心ではない筈です。最近では,一般の家庭用のroom coolerさえ発売され,事務所,工場,映画館,国鉄特急列車などの冷房が常識になろうとして来ている時代に,病院の冷房などぜい沢であるという風潮が,病院内であるとしたならば,それは職務に忠実ではないだろう。手術室の冷房は大分普及して来たが,次は病室の冷房時代である。少くとも重症者,老人の部屋だけでも工夫したい。それと密閉された検査室,放射線室もとり上げねばならない。病人のため,また繊細な人間関係の必要な職員のために「病院は冷房さるべきである」ということが常識になるべきであろう。「暖房費さえ思うにまかせないのに,冷房などをいうことは不可能だ」という頭の持ち主が少くとも病院の管理職員の中にいないようにしたい。冷房問題は暖房問題と平行してその必要を主張すべきであろう。
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