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病院給食の原価計算例
著者: 永田信三
所属機関:
ページ範囲:P.107 - P.110
文献購入ページに移動 病院の基準給食費は,甲表では1日20点即ち200円と定められてあるが,基準給食について監査が実施せられる場合,標準カロリー2400でているかどうかは,当然その主たる対象となる。同時にこの標準カロリーの質の問題に関連し,患者1人1日当り,いくばくの材料費を支出しているかも,当然監査されることになる。そして若し材料費が1日130円以下の場合は,病院は1日70円以上儲けておるのではないかと,監査官から皮肉られることが往々あるが,しかしこれは明らかに監査官の誤解又は認識不足に基くもので,給食材料費即ち給食費とは言えないのである。
然らば給食材料費にどの程度支出することが理想的な給食かと言えば,勿論病院の規模とか組織その土地の物価事情,その病院の経理状況等によつて,一概に論ずることはできないが,若し病院給食が,良質なる材料を豊富に用い,患者の嗜好に適する食事を供給することを理想とするならば,これを制約する材料費の極限を発見することが必要である。而してその発見の方法は,現在実施している給食の実態について,厳格なる原価計算を試み,給食向上可能の限度を算出して見ることが良いと思う。
然らば給食材料費にどの程度支出することが理想的な給食かと言えば,勿論病院の規模とか組織その土地の物価事情,その病院の経理状況等によつて,一概に論ずることはできないが,若し病院給食が,良質なる材料を豊富に用い,患者の嗜好に適する食事を供給することを理想とするならば,これを制約する材料費の極限を発見することが必要である。而してその発見の方法は,現在実施している給食の実態について,厳格なる原価計算を試み,給食向上可能の限度を算出して見ることが良いと思う。
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