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特集 病院と緑化
病院の環境と造園
著者: 江山正美1
所属機関: 1東京農業大学造園学科
ページ範囲:P.157 - P.160
文献購入ページに移動造園というと一般には庭造りを考え,和風の建築なら石組や池泉を,洋風の建築なら芝生や花壇を思い出すのが普通である。そして造園のもつ役割については家を飾り宅地を美しく取扱う技術だと考えるのが一般の通念である。近世になつてからは造園の分野も個人庭園から拡大されて工場,病院,学校,などの公共建築を対象としてきたが,それでも造園といえば建物の周囲を美しく取扱うことだというのが一般の考え方である。造園の分野は更に拡大されて公園や緑地,その上に自然風景を基調とする国立公園などのような自然公園にまで広がつているが,それでも造園の基礎理念は土地を美しく取扱う一種の芸術であるという点からは離れていない。造園をLandscape Architectureと考え,ひとつの芸術(Garten—kunst)であるとする考え方は,造園学が学問として形づくられて以来,今日までその基調を貫いている考え方である。この考え方は決して誤りではない。造園の基調が空間の造型であり,その意味で一種の芸術であることにまちがいはない。しかしながら近代の造園は芸術であると同時に,他のひとつの重要な一面をもつのである。重要な一面というのは科学である。ハーバード大学の造園学科では,造園をartであると同時にscienceであると定義づけている。そして科学としての造園を環境の改善に置くのである。
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