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文献詳細

雑誌文献

病院19巻5号

1960年05月発行

特集 看護

病院看護と公衆衛生

著者: 曾田長宗1

所属機関: 1国立公衆衛生院

ページ範囲:P.327 - P.331

文献概要

I.病院機能の拡大
 病院の出来始めは,傷病の苦しみになやむ人達の苦痛をとりのぞくことを,主なる目的としていたものと思われる。しかし,その後,病者が家庭内にいつまでも,とどまつているのでは,同居する家族も看護につかれ,家業をつづけることも出来ず,ことに伝染性の病気のような場合には,感染の危険さえあるので,傷病者の手当てのためのみでなく,家族や近隣に住むもののためにも,これを特別の施設にうつして,介ほうすることが必要と考えられた。時に,病院とも認めにくい避病舎,隔離病舎が設けられたりしたことも,そのためである。今日では,たとえ他の多数の社会人の健康を守るためとはいえ,病者の人命をおろそかにするような考え方は許されないが,傷病者に及ぶ限りの手当てをすると同時に,家族や近隣の人達に病気をうつさせないよう,新しい患者を発生させないようにすることも,病院の基本的な社会的任務の重要な一面であることが,一般に広く認められるようになつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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