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特集 第10回日本病院学会 第10回日本病院学会総会講演抄録 一般演題
1.病院倫理,他
著者: 金子敏輔1
所属機関: 1神戸医科大学
ページ範囲:P.557 - P.603
文献購入ページに移動 病院の倫理の考察は医師看護婦倫理に歴史的から見て始まり,医師の倫理はHippocratesの誓約,また看護倫理はキリスト教的理念の下に倫理観が発展し,Nigh-tingaleの誓詞等がその医療的倫理観の根元をなしている。近代病院はその性格の公共性と社会性を強く発揮しその機能がますます組織化され拡大しつつある,それに伴い多数の勤務者の集団となり単に医師看護婦患者のグループといつた見方から離れ,各専門職業の集団は医療面の機能を高度に発揮するためその管理は経営学的に行なわなければならない。従つてそのような組織の中にある集団でしかも専門職には基本的倫理が当然成立しその組織の中の人間はどうあるべきかということが人間関係向上の立場から倫理的に認識されなければならない。そこで病院にはその医療の特殊性から見て近代病院管理に合致した倫理とか綱領が生まれなければならない。病院倫理は特長があるので対象と範囲が広い。すなわち地域社会とその中にある福祉団体一般市民から医師看護婦を始め職員と患者を含めているのである。基本的な倫理的考え方としてまず病院の開設者,管理者つまり院長を始め事務管理職員一般各専門職員等の倫理要項が考案される。管理部門の病院管理上の倫理は人間関係の基礎的ルールになるのでその重要性は極めて多大である。つまり経営管理は倫理的概念によらなければ病院医療サービスは水準が保持できないのである。
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