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文献詳細

雑誌文献

病院2巻1号

1950年01月発行

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病人が少くてさかる病院

著者: E.

ページ範囲:P.36 - P.36

文献概要

 医師という職業は人の不幸を救う仁者の職業であるが,その経済は病人に依存している。病人が多いことが,はやる医者であり,はやる病院である。従つて医の理想としている病人の少いことから正反対の病人の多いはやる病院を希望することになる。
 公衆衛生・豫防医学,治療医学は医学として一つの殿堂の中に包含されるものであ,医師の一日一日の働きも,この3つを兼ね行うことが理想でもあり又そうしなければならないことである。例えば結核の患者が外来を訪れるとすると,その病人に気胸療法を行うとか又人院させて社会的伝播を防ぐとかすると共にその家族をしらべ病人の有無を探し若しレツベルクリン反応陰性の子供があればB.C.G等の豫防接種を行う。この様にして出来るだけ病人の発生を少くする様に努める。即ち始めは病院の門の中から1つ1つの現実の問題を捕えて社会に打つて出る。公衆衛生事業,疾病豫防事業は保健所がすることであるとして,ないがしろにしないで,自らの問題として解決に乗り出す。病院はその地方の疾病治療のセンターである許りでなく,その他方の人々の疾病を豫防し,健康を保持増進する機関とする。保健所と病院とを同一建物内におき,その長は両方を兼ねる如く綜合活動をする。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1383

印刷版ISSN:0385-2377

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