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病院概史(その7)
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文献購入ページに移動 アメリカ外科医士院が,1918年に病院規準化運動Hospital Standardiza-tion movementを始めた事は病院史上劃期的な事業である。アメリカ外科医士院は,病院は病者を扱うに適正な科学的な構成によるべきであるとし,高い理念により而も可能な進歩的基準である最低基準Minimnm Standardを設定した。この基準は25床以上の総ての病院を毎年調査した結果から導き出された。1918年に合衆国及びカナダの総ての病院を調査した結果は,最初に設定した基準に合致した病院は89病院に過ぎなかつた。16年後の1934年には,この基準に合格しアメリカ外科医士院に認澄される様になつた病院は2180病院に達する様になつた。この基準が,如何に病院の向上に役立つかはその内容を見れば誰にも了解されることである。例えば,この基準化計画は,(1)有能な医療の倫理に合した而も組織された医師団を有すること,(2)この医師団は定期的に研究会を開き,病院の診療成績を研討すること,(3)医師間で診療報酬を分割し合うことを禁止していること,(4)診療された全患者について,正確且つ完全な診療録が作製されること,(5)臨床検査,X線検査その他適当な診断治療の機関が備つていること等を要求している。1934年の調査では70%の合衆国及びカナダの病院が合格するようになつた。
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