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雑誌目次

雑誌文献

病院20巻11号

1961年11月発行

雑誌目次

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基準的中央検査室の構想—検査種目および検査件数について

著者: 内海邦輔

ページ範囲:P.777 - P.789

まえがき
 最近わが国では,臨床病理検査の重要性が高唱され,多くの病院で中央検査室が設置されつつある。その結果臨床病理検査数は日を追つて増加し,その内容も急速に高度化しつつある。これは医療水準向上に資するところ大で,誠に喜ぶべき現象である。
 さて中央検査室設置に際し,まず問題になるのは,その規模である。従来の病院建築を見ると,中央検査室は一般に狭隘で,病院活動が盛んになるに伴い,増大する検査要求に応じ得ないような例も見られている。

放射線科設計私案について

著者: 塩見二郎 ,   山本義重 ,   多田隆義 ,   神野行幸 ,   山下宏

ページ範囲:P.790 - P.794

 現今各地方で,各経営主体別ではあるが,病院の増新築が盛んに行なわれている。その中レントゲン室は診療機能上手術棟,中央材料棟,臨床病理棟などとともにサービス部としての枢要な役割を占めている。そのためいずれの新設,新築病院でもレントゲン室に対しては,十分な考慮が払われているようである。レントゲン室は各科の外来,入院患者を一つのパートで種々複雑な処理を行なうため,この科の機能的完備はまた各科への利益をもたらす結果となる。
 著者たちグループは最近各地で,新設,新築された,各経営主体別の病院の放射線科をつぶさに見学して歩き,感じたことを基にして1私案を作つて見たので,大方のご批判を得たく,あえて発表する次第である。それに先立つてまず実際感じたことを数項にまとめて見たが,これは実際に働いている現場の人たちの意見を集約して見たものである。まず第1に,どこでも一様に耳にすることは①どこそこが狭いという苦情である。第2には②機械が十分はいらないので,応急的に2次改造を行なつているところがある。第3には③実際患者の撮影処理をする場合に,不必要なことが数多く施行してあり,これに反して必要と思われることが案外忘れられていることである。現場の職員としても,あとで応急的になんらかの手を加えざるを得ないため,美観ないし部屋の能率的使用が制約されている点が多い。第4には④暗室への配慮が案外なされていない。

手術室の色彩調節

著者: 原素行 ,   吉坂隆正 ,   中島猛詞 ,   大曽根正

ページ範囲:P.797 - P.803

 この報文は,日本病院学会第11年次総会における演説に,若干の補正を加えたものである,ちなみにこの小研究は日本病院設備協会の主目的である病院設備の合理化研究の一環であることを申し添えておきたい。

給食に関する二,三の分析

著者: 武田忠雄 ,   千葉俊博 ,   引地藤助 ,   跡部政敏 ,   千葉千代子 ,   渋谷美恵子

ページ範囲:P.804 - P.807

I当院給食部の概況
 職員134名中栄養士2名,調理士4名,炊事婦4名,配膳婦(食器消毒兼務)5名で構成され,入院患者1日平均220名,月平均普通食13016食67%,特別食6128食33%を給食している。
 給食指示は約束処方に基づく給食指示伝票を使用している。

病室の窓—食器受け渡し窓口の工夫

著者: 阿久津慎

ページ範囲:P.809 - P.811

1)はじめに
 病院ともなれば患者に対して給食をするのが本然の姿であるので,まづ,厨房から病室への配膳のことを考える。そして集膳に関しては,特別の考慮を払わず,ただ単に配膳の逆をすれば集膳ができるものと思い勝ちである。
 配膳された食事を,集膳時刻までに時間を合わせて食べ終わつて,集膳車を待つということは,患者にとつては,なかなかむずかしい。集膳時刻より早く食べ終わつて,その膳のしまつに困つたり,食欲がなくて,食べ渋つているうちに,集膳時刻に間に合わなかつたりする。このような人たちは,自分の食べた膳のしまつに困り,病院の廊下に出したり,ベツドの下に放置したりする。これは見た目に不快な感を与へ,不衛生的で,不潔な感を抱かせるものであるが,患者にとつても食べ荒したものを,いつまでも自分の周囲に置くことは,決して気持のよいものでなく,食欲の出ない患者などには,ますます食欲不振にさせる原因の一つにもなる。何んとかならないものかと,患者からの訴をしばしばきくようになつた。以上が次のごとき試みをするようになつたわけである。

直傭清掃と委托清掃の比較検討

著者: 近藤房代

ページ範囲:P.812 - P.815

 最近都市の病院におきましてはしだいに病院の清掃を専門業者に委托する傾向が見えておりますが,従来行なわれております直傭掃除婦による清掃と業者に委托する清掃とどちらが効果的であるかについて,ハウスキーパーの立場から考えてみたいと思います。
 私の病院は大学の附属施設という特殊性の下に第一図の通り本館以下11棟の病棟を持つております。病床は1004床ですが現在実床951床で昨年1ヵ年の平均によりますと,ベッド稼働率は93%外来患者は1日1,032名であります。

大学と保健婦看護婦学校との教育制度上の比較

著者: 中村芳生

ページ範囲:P.816 - P.825

Ⅰ現況
 わが国における保健婦,助産婦,看護婦,准看護婦の学校養成所に関する諸事項を,昨年の統計に基づいて表示すると,第1表のとおりになる。
 ここにいう「学校」とは文部大臣指定のものであり,「養成所」とは厚生大臣指定のものであつて,後者のうち,准看護婦養成所のみは厚生大臣の定める基準に従つて都道府県知事が指定したものであることは,保助看法および保助看校指定規則に定めてあるとおりである。

診療補助業務及び事務管理—病院経営管理改善懇談会懇談要旨(第二次分)

ページ範囲:P.838 - P.842

Ⅳ 診療補助業務管理について
1.薬局業務について
 近代医療の発展にともない,病院内で使用される医薬品類の変遷はきわめていちじるしく,その種類は年々増加し,複雑化し,最近における院内薬局の業務量は,増大の一途をたどつている。また,医薬品に要する経費の病院経理上に占める割合が増加し,それらの需給調整は,病院経営上重要な問題となつている。
 したがつて,診療部門,看護部門,などとの協力による薬局業務の能率化,医薬品の利用の効率化は,病院の経営管理の改善向上を図るためにきわめて重要である。

グラフ

都立墨東病院の創造

ページ範囲:P.827 - P.836

 首都旧江東地区一円も,戦火を浴びて,市街は烏有に帰し,城東.深川の都立2病院は炎上し,本所伝染病院もまた戦火に傷手を負うた.戦後,都立墨田病院が開設され,旧城東・深川両病院の診療圏を担当し,住民の医療福祉に大なる貢獻をした.本所病院は既に修復されていた.
 日本産業の延びは,旧江東地区の発展はもとより,その東郊一帯を大市街地化し,住民は,墨田病院の大拡張を要望するに至つた.

基本情報

病院

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1383

印刷版ISSN 0385-2377

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