文献詳細
文献概要
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病室の窓—食器受け渡し窓口の工夫
著者: 阿久津慎1
所属機関: 1名鉄病院
ページ範囲:P.809 - P.811
文献購入ページに移動病院ともなれば患者に対して給食をするのが本然の姿であるので,まづ,厨房から病室への配膳のことを考える。そして集膳に関しては,特別の考慮を払わず,ただ単に配膳の逆をすれば集膳ができるものと思い勝ちである。
配膳された食事を,集膳時刻までに時間を合わせて食べ終わつて,集膳車を待つということは,患者にとつては,なかなかむずかしい。集膳時刻より早く食べ終わつて,その膳のしまつに困つたり,食欲がなくて,食べ渋つているうちに,集膳時刻に間に合わなかつたりする。このような人たちは,自分の食べた膳のしまつに困り,病院の廊下に出したり,ベツドの下に放置したりする。これは見た目に不快な感を与へ,不衛生的で,不潔な感を抱かせるものであるが,患者にとつても食べ荒したものを,いつまでも自分の周囲に置くことは,決して気持のよいものでなく,食欲の出ない患者などには,ますます食欲不振にさせる原因の一つにもなる。何んとかならないものかと,患者からの訴をしばしばきくようになつた。以上が次のごとき試みをするようになつたわけである。
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